歴代『スーパー戦隊シリーズ』ヒロインの魅力たっぷり「伝説の夏回」 敵女幹部の“大胆姿”に水着での戦闘も…の画像
DVD『超力戦隊オーレンジャー』VOL3(東映ビデオ)© Toei Video Co.,LTD. 2016 All Rights Reserved.

 特撮番組の長寿シリーズ『スーパー戦隊シリーズ』には「伝説の夏回」が存在する。

 舞台は海。物語には恋、花火、そしてお約束の水着シーンが満載のこれらのエピソードは、ヒロインはもちろん、敵の女性幹部までもが普段とは違う夏仕様の装いで登場し、視聴者の目を楽しませてくれる。

 さっそく、季節感全開の演出とサービス精神が光る『スーパー戦隊』の特別エピソードを振り返っていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます

■女ランボー、夏を舞台に大暴れ!『超力戦隊オーレンジャー』第23話「最後の水着…」

 『スーパー戦隊シリーズ』第19作『超力戦隊オーレンジャー』第23話「最後の水着…」は、シリーズ屈指のインパクトを誇る夏回として知られている。

 物語は夏の海でバカンスを楽しむオーレンジャーの姿から始まる。本作のヒロインは、オーピンク/丸尾桃役を演じるさとう珠緒さん(後の初代ミニスカポリスとして活躍)、オーイエロー/二条樹里役の麻生あゆみさん(元・旭化成水着キャンペーンガール)という、ビジュアル抜群の2人だ。

 桃はスカートタイプの白いツーピース水着、樹里はネオンイエローの当時流行したハイレグ水着と、それぞれ違った魅力を放っていた。

 そんな夏ムード全開の中、突如現れるのがマシン獣・バラクローズ。特殊能力「メタリックウェーブ」は、衣類を金属に変化させ、それを身に着けた人間を洗脳してしまう。男性メンバーは次々と操られ、桃までもが支配下に置かれる中、樹里も変身アイテム「パワーブレス」を奪われ、絶体絶命の窮地に追い込まれてしまう。

 しかし、ここからの展開が本エピソード最大の見どころだ。樹里は水着姿のままバンダナを巻き、弾薬ベルトを斜め掛けし、腰には手榴弾とコンバットナイフ、そして機関銃を抱え、“女ランボー”さながらに敵に立ち向かっていくのである。

 演じた麻生さんによれば、この水着シーンの撮影はかなり過酷で、生い茂る藪の中ではケガが絶えず、前転した際に落ちていた栗のイガが背中に突き刺さるという痛ましいハプニングもあったという。そうした苦労が、鬼気迫る樹里の活躍をより一層際立たせており、非常にカッコ良かった。

 最終的に、樹里の奮闘により仲間たちは洗脳を解かれ、マシン獣も見事撃破。物語は再び夏の海を楽しむオーレンジャーたちの姿で爽やかに締めくくられた。

 本エピソードは、戦うヒロインの魅力がこれでもかと詰め込まれた、まさに“伝説の夏回”と言えるだろう。

■恋の矢が夏のビーチをかき乱す!『忍風戦隊ハリケンジャー』26話「弓矢と海水浴」

 続いて、シリーズ第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』より、恋とバトルが交錯する夏回の名作、第26話「弓矢と海水浴」を紹介したい。

 本エピソードの怪人は、その名も“恋煩い忍者”チューピッド。彼が放つ矢に射抜かれると、最初に目にした相手に強烈な恋心を抱いてしまうという厄介な能力を持っている。

 この矢の犠牲となったのが、クワガライジャー/霞一鍬(姜暢雄さん)だ。彼はハリケンブルー/野乃七海(長澤奈央さん)に一目惚れ。普段の堅物な性格からは想像もできないくらい猛烈アプローチをしていく、そのギャップがたまらない。

 一方の七海も、矢の効果で自身に恋をした憧れのアイドルからのデートの誘いに大はしゃぎ。赤と白のキャミソール風ビーチウェアで海水浴デートを楽しんでいたのだが、そこへ「七海はオレの女だ!」と一鍬が乱入、三角関係のバトルへ発展してしまう。さらにチューピッドまでもが乱入し、海辺は恋と戦いが入り乱れるカオスな状況と化すのだ。

 また、このビーチでは、敵の女性幹部・フラビージョ(山本梓さん)と、ウェンディーヌ(福澄美緒さん)も水着姿でこの戦いを優雅に観戦しており、ファンには嬉しいサービスシーンとなった。

 クライマックスでは、恋する男・一鍬が、七海を命がけで守る展開に、そしてチューピッドを撃破する。戦いが終わり、術が解けたはずの一鍬だったが「なんだこの感覚は……」と、自身の胸のざわめきに戸惑う姿は、後の展開に余韻を残す印象的な結末であった。

 なお、本編終了後のVシネマ『爆竜戦隊アバレンジャーVSハリケンジャー』において、一鍬と七海は交際をスタート。この夏回で芽生えた“想い”を見事成就させている。

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