■最新作は2011年の『富江 アンリミテッド』

 最後に、現時点での映画『富江』の最新作である2011年公開の『富江 アンリミテッド』の仲村みうさんの富江を紹介したい。

 当時、グラビアアイドルだった仲村さんが富江役に起用されたことに驚いたファンも多いと思うが、妖しい表情やミステリアスで近づきづらい圧倒的な美しさがまさに富江そのものだった。

 外見だけでなく、同作は内容もこれまでの映像化作品の中では最も原作に近いとの評価もあり、シリーズでは唯一の「R15+指定」となっている。

 『富江』らしい神出鬼没な生首や血まみれ描写だけでなく、物語の終盤では富江が顔のたくさんついたムカデのような数珠つなぎの虫になったり、巨大化するなど派手な演出の怖いシーンもあった。

 『富江』にはたくさんのシリーズや展開があるため、作品によってそれぞれイメージの異なる富江がいても違和感なく楽しめるのが魅力。作品を重ねるにつれ、原作同様に恐怖演出が奇抜なものになるのも、映像の技術の発展と相まって見どころの一つとなっている。

 一方、いつの世でも魅惑的な富江の存在感は変わらない。映像技術も進化した今こそ、“令和の富江”を目にする時ではないだろうか。次なる美しき恐怖の化身の登場が待ち遠しい。

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