■洋画チックなホラー感がたまらない!
◆『クアリー ~悪夢のサマーキャンプ』(2K)
ホラー度:★★★★☆
洋画好きにオススメ度:★★★★★
洋画好きにはたまらない「プレイできるホラー映画」です。サマーキャンプ最終日の夜、森の中にいる「何か」と対峙し、生き残りをかけて9人の登場人物を操作します。
ムービーを見ながら、探索したり、選択肢を選んだり……簡単操作で物語が分岐し、それぞれの運命が決まります。
全員生存、全員死亡エンドなど分岐も多岐にわたり、私自身、さまざまなエンディングを見るために周回プレイを楽しみました。
できる限り多くのキャラクターを生存させたいという思いはあるものの、操作ミスしてはいけないタイミングで標的への狙撃を誤ってしまい、取り返しのつかない展開になったりと、途中でやり直しができないからこそ、瞬間の緊張度はかなり高いです。
また、アメリカのホラー映画らしく、人体の一部が飛ぶなどグロテスクなシーンも多く、スプラッターもの好きにも好まれる作品かと思います。
実在の俳優をキャプチャーしているため「あ! この人、あの作品の人だ!」という発見も楽しいポイント。
ちなみにクアリーが面白かった方には、同じ開発チームによる『アンティル・ドーン 惨劇の山荘』もオススメ。洋画好きな方には大満足の作品になるかと思います。
■手軽だけど怖い「インディー系ホラー」
◆チラズアート作品
ホラー度:★★★☆☆
身近な恐怖度:★★★★★
数時間で気軽に「ジャパニーズホラー」を味わいたいなら、「チラズアート」が間違いないです。
「チラズアート(Chilla’s Art)」とは、Steamで定期的にホラーゲームを発表しているクリエイター兄弟です。有名作にはコンビニを舞台にした『夜勤事件』などがあり、YouTubeでも多くのゲーム実況者がプレイし、話題になりました。
身近にある「怖そう」なものをテーマにしたり、舞台にしたりしているので、ありえそうな怖さが絶妙です。私が好きなのは『夜間警備』や『地獄銭湯』、『パラソーシャル』という作品。
『夜間警備』はその名の通り、警備員として深夜にビルを巡回します。設定だけで何か起こりそうな雰囲気ですが、プレイヤーはビルの中で異常現象に巻き込まれるため、驚くような演出が続きます。
テレビ画面に映る人影など、日本のホラー映画で見たことのあるような展開もあるので、ジャパニーズホラー好きの方にぜひ触れてみてほしいです。
Steamで「チラズアート」と検索し、何作もある中から好みの舞台やあらすじを選んで、まずはプレイしてみてはいかがでしょうか。
■「殺されるかもしれない」という恐怖
◆『神無迷路』(致意)
ホラー度:★☆☆☆☆
SF度:★★★★★
『かまいたちの夜』にインスパイアされた、選択肢型のノベルゲーム。テキストを読みながら物語を進めていくので、手軽さでは随一。水色のシルエットで表示されるキャラクターも、あの頃を知る人にはニヤリとさせてくれる仕様です。
山奥で行われる怪しげな地下研究室のアルバイトに参加した主人公。逃げ場のない閉鎖空間で連続殺人事件が発生します。
サスペンス要素だけでなく、二重スリット実験など実在する科学実験を基に展開するオリジナリティの高い本格SF要素が魅力的です。フローチャート式なので、プレイもしやすく、半日でクリアできるボリュームながら満足度の高いシナリオとなっています。
作品の本質はSFではありますが、逃げ場のない密室空間で誰かの足音が近づいてくる……殺されるかもしれない……そんな感覚を味わえる怖さがあります。
ホラー度は他の4作品と比べてややライトなので、ちょっと怖さを味わいたい、そしてSFものが好きな方に強くオススメします。
以上、5作品を紹介しました。
今年の夏は、冷房だけじゃ物足りないという方に、背筋が凍るようなホラーゲームを味わってみてはいかがでしょうか。映画では物足りないという方こそ、ぜひゲームにも挑戦してみてください。
【プロフィール】
宇内梨沙(うないりさ)
ポップカルチャーを心から愛する元アナウンサー。2015年、TBSテレビに入社。アナウンサーとして多数の番組を担当する一方、ラジオやYouTubeなどでゲーム偏愛を披露。2025年にTBSを退社し、現在は『Twitch』でゲーム配信者として活動中。