■超怖いだけじゃない…引き込まれる重厚ストーリー
◆『サイレントヒル2リメイク』(コナミデジタルエンタテインメント)
ホラー度:★★★★★
物語奥深い度:★★★★☆
個人的に、近年でもっとも恐怖を感じた作品です。
『サイレントヒル』シリーズは子どもの頃、兄の隣でプレイを見ていた思い出があり、高校時代にはニコニコ動画で実況プレイもよく見ていました。今回、自分で操作するのは初めてだったのですが……怖い! とにかく怖い!
クリーチャーの不気味な動きも、逃げ場のない閉鎖空間も、あらゆる要素が恐怖を加速させます。
とくに私が恐怖を感じたのは「音」です。
静寂や不安を掻き立てるBGM、敵の接近を示すラジオのノイズ音など、様々なサウンドでプレイヤーの心を蝕みます。
何も起きていないのに、突然怖いBGMが鳴り始めることが何度もあり、そのたびに「敵もいないのにやめて!?」と心が乱されていました。
ホラーゲームの安全地帯といえばセーブゾーンなんですが、セーブ中も画面全体が真っ赤に染まるので、全く心が落ち着きません。どこにいても安心させないのが、『サイレントヒル2』。
しかし、ただ怖いだけのホラーではなく、物語にもかなり深みがあり、なぜ亡き妻はサイレントヒルにいるのか、真相が明かされたときには、心に穴が空くような虚しさが残りました。
そして、クリア後に気づく、オープニングの車のシーンの意味にも驚愕します。
登場人物の精神世界を反映させる演出も見事で、内省的な物語がホラーと見事に融合した傑作です。
ちなみにナンバリングタイトルですが、ストーリーとしては独立しているのでこの作品からプレイしても全く問題ありません。
■張り詰めた空気の中で操作する「緊張感」!
◆『エイリアン アイソレーション』(セガ)
ホラー度:★★★★★
緊張感:★★★★★
映画『エイリアン』シリーズの世界観をベースにした本作。「倒す」ではなく「逃げる」ことが中心のゲームなので、張り詰めた空気が続きます。私は腰が重くなりながら、少しずつ進めました。
主人公はエレン・リプリーの娘アマンダ。母を探すために国際宇宙ステーションに訪れるものの、すでにエイリアンの襲撃を受けていました。プレイヤーはエイリアンから逃げ隠れしながら、脱出を目指します。
姿を見られてしまうと、エイリアンに猛ダッシュで接近され、そのまま即ゲームオーバーです。
マップの特徴やエイリアンの動きをよく理解し、陽動などを用いて進んでいかなくてはいけません。ゲームオーバーになると、とてつもない疲労感が押し寄せて「今日はもう無理……」とコントローラーを置いていました(笑)。
とても緊張感の高いゲームですが、映画『エイリアン』シリーズが大好きな方にはたまらないシーンが盛りだくさんですので、時間をかけてでもプレイすることをオススメします。
ステルス要素と心理的プレッシャーが絶妙に組み合わさった、ストレス全開の名作です。