レアすぎて買取額の基準なし!中古価格「約40万円」、ファミコン『ドンキーコング3』の正体【ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」】の画像
ファミコン用ソフト『ドンキーコング3』(任天堂) 写真/ふたまん+編集部

 ファミコンゲームボーイスーパーファミコン——。懐かしのオモチャというだけでなく、数万円から数十万円の値段がつくこともある“コレクターズアイテム”としても注目されている「レトロゲーム」の世界。そんな名作ソフトがズラリと並ぶ東京都・吉祥寺にある『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、自身の思い出や裏話を交えつつ、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、吉祥寺店のショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは——?

■コレクター垂涎! 『ドンキーコング3』の“銀箱”が初入荷!

『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』大竹剛店長(写真、ふたまん+)

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第8回


『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回ご紹介するのは、ニンテンドースイッチ2向けに最新作も発売された、任天堂『ドンキーコング』シリーズの3作目。1984年7月に発売された、ファミリーコンピュータ用『ドンキーコング3』です。

 以前から当店では5500円(税込)で販売していましたが、最近入荷したソフトには39万6000円(税込)という値札を付けています。価格が2ケタも違う理由は、パッケージの違い。前者は小さな赤い箱、後者は大きな銀色の箱……通称“銀箱”に入っているんです。

 任天堂のファミコンソフトのうち、初期に発売されたタイトルは、カセットとほぼ同じ大きさの“小箱”に入っていて、色はタイトルごとにまちまち。定価3800円でした。それが1984年の秋以降、箱のサイズがひとまわり大きくなり、色は銀に統一されるようになりました。価格もこの前後に4500円に改定されて、これに伴って“小箱”で出ていたタイトルも、“銀箱”仕様の新価格で再販されたんです。

 過去にこの連載で取り上げた『ドラゴンボール 神龍の謎』(バンダイ)をはじめ、ファミコンソフトは初版より再版のほうが販売本数が少ない……つまり稀少性が高い傾向にあります。“銀箱”も同じで、なかでも『ドンキーコング3』はめったにお目にかかれない1本。当店で扱うのもこれが初めてです。

 珍しすぎて、業界的にも買取額の基準がないほどで、値付けには悩みましたが、今回はオークションサイトでの過去の落札価格などを参考にしました。

 このほか、“銀箱”では『ポパイの英語遊び』『ドンキーコングJR.の算数遊び』『ワイルドガンマン』も入手困難とされています。当店での買取実績は、少なくとも私が店長になってからはないですね。過去にはあったのかもしれませんが、そこはハードオフ。“小箱”と同じ価格で販売した可能性は、なきにしもあらずですね(笑)。

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