■すべての部下がオスカルに惚れた…アベイ牢獄からアランたちを解放したシーン
オスカルはアンドレやロザリーだけでなく、部下たちからも強い信頼と愛情を受けている。その象徴的なシーンが、アベイ牢獄から部下たちを救い出す場面だ。
フランス革命間近、オスカルをはじめとしたフランス衛兵隊は民衆への発砲命令を拒否し、アランをはじめとした部下たちは、アベイ牢獄に投獄されてしまう。
なんとか部下を救出したいオスカルは、新聞記者であるベルナールに頼んで市民を集め、アランたちの解放に成功する。泣きながら解放を喜ぶ部下たちに、両手を広げ彼らを迎えるオスカル。部下たちは口々に「隊長~~!!」と叫び、その胸に飛び込んでいく。
厚い信頼関係で結ばれているオスカルと部下だが、そうなるまでには多くの時間を要した。貴族かつ女性であるオスカルに対し、当初、アランをはじめとした部下たちは憎悪を向け指令を聞かなかった。そんな彼らに対しオスカルは自分のすべてをぶつけて訓練や対話をし、やっと固い絆で結ばれたのである。
アベイ牢獄へ投獄される彼らに対し、それぞれの名前を叫び「私の部下だ!」と涙ながらに叫んだオスカル。彼らが解放され、オスカルの胸に飛び込んでいくこのシーンは、強固な絆がより深まった最高にカッコいい瞬間である。
オスカルはこのほかにも、左目を負傷したアンドレを想い黒い騎士(ベルナール)と対峙するシーンや、元婚約者であるジェローデルに立ち向かうシーンなど、魅力的な場面がたくさん登場する。
自分にとって最高にカッコいいオスカルのシーンはどこか、思い返しながら作品を再読するのもまた楽しいだろう。