■アニメ冒頭、異例の注意書き…『タコピーの原罪』
続いては、2021年に『少年ジャンプ+』で連載されたタイザン5氏の同名漫画を原作とした『タコピーの原罪』。宇宙人・タコピーのかわいいビジュアルとは裏腹に、家庭内暴力やいじめといった過酷な現実を描く物語であり、原作そのままのあまりにも陰鬱なアニメ第1話は、配信すぐから大きな話題を集めた。
アニメ第1話は、ハッピーを広めるために地球にやってきた宇宙人のタコピーが、小学4年生の女の子・しずかと出会う場面から始まる。しずかは、学校では毎日クラスメイトのまりなからいじめを受けており、愛犬のチャッピーといるときだけが癒しの時間だった。しかし、自身を取り囲む現実のあまりの過酷さに耐えきれず、彼女は自ら命を絶ってしまう。
このように、原作を読んでいる人でもあまりのダークさに苦しくなってしまう同作。第1話ではその後、タコピーが不思議なアイテム「ハッピー道具」を使い、しずかが命を絶つ前まで時間を戻す。そして、ラストシーンで、チャッピーとともに眠るしずかが描かれ、繰り返される彼女の運命がどう転ぶのかに注目が集まる終わり方となった。
その作風から本作はサブスク限定配信となっており、1話冒頭には「一部、命にかかわるセンシティブな描写が含まれています」という異例の注意書きがされている。Netflixのレーティングは【R18】となっており、開幕早々不穏な雰囲気にSNSでは、「見るのに緊張するアニメだ……」という戸惑いの声があがった。
アニメではいじめの主犯であるまりなの凶暴さが生々しく描かれ、愛犬のチャッピーを失い絶望するしずかの姿も。そして、問題のシーンもリアルに表現されており「救いを……救いをください……」「初回からこれだけ重い事されるととても辛い」と、Xでは阿鼻叫喚。しかし、死や暴力といった演出がリアルであるからこそ、変わっていく彼女たちの様子が、視聴者の記憶に深く残るのだろう。
現在第4話までが配信され、新たな登場人物、東がクローズアップされはじめた『タコピーの原罪』。「タコピー鬼つえぇ!」「わかんないっピ!」など、連載時に流行ったポップなミームから「ネタ系の作品かな?」と思っている人も多いかもしれない。今後もキツめな展開が予想されるため、視聴はぜひ計画的に……。