■仲間を撃った、あまりにも許されざる行動
一年戦争でホワイトベースの指揮を執ったブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアも、宇宙世紀を代表する問題児として外せないキャラだろう。今冬公開される映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、連邦に仇名すテロリストとして活動しているのが、他ならぬ彼である。
そのハサウェイは、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時点ではまだ13歳の少年だった。彼がひそかに好意を寄せる少女クェス・パラヤは、ロンデニオンで偶然出会ったシャア・アズナブルに惹かれ、ネオ・ジオン陣営に身を投じてしまう。
納得のいかないハサウェイはクェスを追いかけるため、父が乗るラー・カイラムに無断で忍び込む。この密航がバレて父からは平手打ちを食らったが、ここまでは行動力ある少年の行き過ぎた行為で済まされただろう。
その後、ロンド・ベルとネオ・ジオンの戦いが激化し、ラー・カイラム艦内にいたハサウェイはニュータイプとしての素養に目覚めたかのような描写がある。そして戦場でアムロと交戦を開始したクェスの様子を感じ取ってしまった。
クェスの身を案じたハサウェイは無人のジェガンに勝手に乗りこみ、無断でラー・カイラムから出撃。クェスのいるアクシズ方面へと向かう。
クェスと再会し、戦いを止めるよう説得を試みるハサウェイ。そこにリ・ガズィに乗ったチェーン・アギが現れる。このときクェスが乗っていたのは敵軍の巨大モビルアーマーα・アジールだ。その近くにいたハサウェイを心配し、チェーンが攻撃を開始するのは当然だった。
リ・ガズィが放ったグレネードランチャーはα・アジールに直撃。クェスはハサウェイのジェガンをかばうように遠ざけて爆散した。
彼女の死を目の当たりにしたハサウェイは逆上し、友軍のリ・ガズィに向けて発砲。あろうことか、アムロの恋人であるチェーンが乗ったコクピット付近を撃ち抜いたのである。
13歳の少年による衝動的な行動とはいえ、何の罪もない友軍のチェーンの命を奪ったことは、単なる問題行動で済まされていいレベルを逸脱したと言わざるを得ない。
宇宙世紀を代表する問題児たちの暴挙を振り返ってみたが、いずれの人物もニュータイプの素養を持ち合わせていた点が共通点として挙げられる。感受性の豊かさは、時として感情まかせの極端な行動をとらせてしまうのかもしれない。
そしてガンダム好きの皆さんが、放映当時もっとも目を疑った問題行動はどのような内容だっただろうか。