
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の放映から半世紀近く経ったが、「宇宙世紀」を舞台にした物語はいまだに多くの話題を集めている。
2025年6月24日の放送で最終回を迎えたガンダムシリーズのアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』もパラレルワールドとはいえ宇宙世紀が舞台であり、今冬公開される新作映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』も宇宙世紀の作品だ。
そんな人気の宇宙世紀の作品には、個性豊かなキャラクターが登場する。なかには過激な行動をとった「問題児」もいた。彼らの突飛な行動は視聴者を大いに驚かせ、ときには批判の対象になることも……。いろいろな意味で宇宙世紀の『ガンダム』作品を盛り上げた存在といっても過言ではない。
そこで今回は宇宙世紀を代表する問題児たちがやらかした「とんでもない行動」をあらためて振り返ってみたい。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。
■開始7分で軍人をぶん殴った16歳の主人公
まずは、テレビシリーズ第2作目『機動戦士Zガンダム』の主人公、カミーユ・ビダンの行動から見てみよう。富野由悠季監督が「最高のニュータイプ」と評したほどの逸材であるカミーユは、ハイスクールに通っていた16歳の少年だ。
だが、ニュータイプ特有の高すぎる感応能力のせいか、エキセントリックな行動を見せ、たびたびトラブルを起こしている。その最たる例は、やはり第1話での行動だろう。
自分の名前にコンプレックスを持つカミーユは、ティターンズの将校ジェリド・メサから名前をバカにされて激怒。初対面の軍人であるジェリドを、容赦なくぶん殴った。
止めようとした他の軍人も叩きのめした結果、カミーユは逮捕されてしまう。ちなみに第1話が始まってからジェリドを殴るまで、わずか7分の間に起こった出来事である。
カミーユの暴挙はその後の第2話でも止まらない。ティターンズからモビルスーツ(MS)の「ガンダムMk-II」を強奪すると、取り調べの際に自分のことを殴った憲兵に向けて、なんとガンダムのバルカンを発射したのである。
生身の人間に兵器をぶっ放して威嚇射撃したカミーユは、「ハハハハハ! ざまあないぜ!」と気持ちよさそうに高笑い。その様子はとても主人公とは思えず、極悪人にしか見えない。万が一バルカンが当たって死者が出ていたら、彼はどうなっていたのだろうか。
この暴挙によりカミーユは、「狂犬」「キレる若者」といった評価をされることになったが、実は極端な暴走は序盤くらいで、以降は比較的おとなしくなる。
むしろ物語序盤で両親を亡くし、それでも続く戦争に疲弊。最後はパプテマス・シロッコに道連れにされて精神崩壊してしまったカミーユ。序盤の問題行動のしっぺ返しというには、あまりにも残酷な結末だった。