■進行するウイルスゲージと中断できないステータスメニューによる緊張感

 本作の画期的なシステムの一つが、ウイルスゲージの存在だろう。主人公たちはすでにウイルス感染しており、時間の経過や敵の攻撃などでウイルスが進行してしまう。このゲージが100%になるとキャラクターはゾンビ化してしまい、ゲームオーバーとなってしまうのだ。

 実は本作では体力がゼロになってもゲームオーバーにはならず(即死状態を除く)、瀕死の“這いずり状態”となる。この状態ではウイルスの進行速度が速まるため、仲間に肩を貸してもらって立ち上がるか、回復アイテムを迅速に使用しないと助からない。

 仲間(NPC)に助けに来てもらうのがベストなのだが、ここでRスティックを使用して「HELP!」などのアピールができるのも本作ならではの要素だった。もちろん、近くに仲間がいない場合や、すでに戦闘中で助けに来られないことも多く、回復アイテムがないと詰んでしまうことも少なくなかった。

 また本作では、ステータス画面やマップを開いてもゲームを中断することはできない。そのため、これらを確認中に敵に襲われてしまうことも多く、常に緊張感の連続だった。

 所持できるアイテムは基本的に4つしかないため、武器や弾薬の交換を頻繁に行う必要がある。置き換えたアイテムはマップに表示されるものの、どこに置いたか場所を確認している間に、ゾンビが迫ってくるなど、緊迫感が半端ないものだった。

 

 ちなみに『バイオハザード7 レジデント イービル』では、ルイジアナ南部で起きていた失踪事件について取材したアリッサの署名入り新聞記事を読むことができる。これにより、彼女は無事にラクーンシティから脱出できたことが示唆されていた。

 2004年9月には、その続編『バイオハザード アウトブレイク ファイル2』が発売された。こちらも非常に完成度の高い作品で面白かったため、また別の機会に紹介したい。

 本編シリーズの近2作はFPS視点であったが、とうとう『バイオ9』ではFPSとTPSの切り替えが可能となった。選択肢が増えたことで、TPSが好きな人にとっては朗報といえるだろう。

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