■新キャラ・フォーキー役に挑戦した竜星涼さん

 ピクサーを代表する人気長編アニメーション『トイ・ストーリー』。同シリーズは、ウッディ役の唐沢寿明さんやバズ・ライトイヤー役の所ジョージさんをはじめ、多くの人気芸能人を吹き替えに起用している。

 2000年公開の2作目以降は約10年ごとに新作が発表されており、2019年には最新作となる『トイ・ストーリー4』が公開された。同作も芸能人による吹き替えが賑やかで、ダッキー&バニー役にはチョコレートプラネット、ギャビー・ギャビー役には新木優子さんが起用されている。

 もっとも注目を集めたのが、フォーキーを演じた竜星涼さんだ。フォーキーは、プラスチックの先割れスプーンとモールから生まれたシリーズ初の手作りおもちゃ。自分のことをゴミだと思っているため隙あらばとゴミ箱に行こうとするコミカルなキャラだが、一方で手作りおもちゃだからこそ、これまでに登場したおもちゃたちとは違う価値観を持つ難しいキャラでもある。

 竜星さんは、そんなフォーキー役を声優初挑戦ながら、オーディションを勝ち抜いて手にしている。1993年生まれの竜星さんにとって『トイ・ストーリー』は幼少期から慣れ親しんだ大切な映画であり、役作りにはかなり気合を入れたのだとか。声のトーンを上げたり子どものように喋ったりと試行錯誤を繰り返した結果、オリジナル版のイメージにもぴったりハマるコミカルでピュアなフォーキー像を作り上げた。

 『獣電戦隊キョウリュウジャー』でキョウリュウレッドを演じていたときとは全く違う雰囲気で、声色も違うため、後からフォーキーを竜星さんが演じていると知って驚いた人もいるのではないだろうか。

 ディズニー・ピクサーの映画は、吹き替えに人気芸能人を起用することが多いが総じて違和感がない。それは、演じている芸能人たちの演技力が高いのはもちろんのこと、役柄の個性を生かすことに力を入れているからこそだろう。

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