■まさかの脳天チョップ? 浜辺の恋人のように水をかけて楽しそうなウルトラマン

 もうひとつ、ウルトラマンの意外な一面を紹介しよう。

 第11話「宇宙から来た暴れん坊」で登場するのが、脳波怪獣・ギャンゴだ。ギャンゴはもともと宇宙から落ちてきた不思議な丸い石であり、人間の意思を受けてさまざまなものに変化する特性を持つ。

 この石について説明する記者会見にて、鬼田という男がこの石を奪い、人々にいたずらをしようと企てる。結果、鬼田の意思で石は巨大化し、怪獣・ギャンゴとなってしまうのだ。

 ギャンゴが暴れた影響で鬼田は気を失ったため、ギャンゴは石に戻ることができなくなってしまった。そこにウルトラマンが登場。右手の人差し指をチョイチョイと動かして、ギャンゴを煽る。

 ギャンゴは何を思ったのか、両手を前に出して構える。するとウルトラマンも拳を握ってボクシングスタイルで応戦。華麗なステップを刻むギャンゴに対し、ウルトラマンはまさかのプロレス技・脳天チョップのような攻撃を浴びせた。

 痛がるギャンゴに油断したウルトラマンは押し倒され、さらに上から乗っかられてしまう。するとそこでウルトラマンは驚きの行動に。なんと、ギャンゴの胸あたりをくすぐるのだ。まさかのこの攻撃に驚いたギャンゴは飛びのき、再びウルトラマンが飛びかかるが、かわされて海中にダイブしてしまう。その後、ウルトラマンは両手で水をかけて応戦……まるで浜辺でじゃれ合う恋人たちのような光景を見せる。

 カラータイマーも点滅しているのにもかかわらず、焦らず楽しそうにしていたウルトラマンが印象的だったこのエピソード。最後は鬼田が目を覚まし、ギャンゴは丸い石に戻って一件落着となる。遊び心満載のウルトラマンのレアな姿が面白かったものだ。

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