■密造酒の証拠を残さないプロの仕事が光る「日本酒密造計画!!の巻」
日本では許可なくお酒を造る自家醸造が全面的に禁止されている。副業なんてとんでもない話なのだが、両さんにそんな常識は通用しない。「日本酒密造計画!!の巻」は、100%犯罪である密造酒で商売をする話だ。
最初は自分の酒代を節約するために、安いブレンド米で密造酒を作っていた両さん。犯罪であることは自覚していたが「どうせ自分が全部飲むんだから!」と難しく考えることはやめ、タダ同然で大量のブレンド米を仕入れて密造酒を生産し続ける。
だが、個人で飲める量を超えると持ち前の商魂に火がつき、いよいよ禁断の密造酒販売に乗り出す。この話の面白いところは、証拠を完璧に隠滅する両さんの手際の良さだ。宣伝は足がつかないFAXでおこない、注文も機械音声を設定した電話だけで受けつける。客と接触する機会はいっさいなく、物的証拠となるお酒には指紋一つ残さない。
極めつけは、両さんが住む寮の庭に酒造工場があると気づかれたときだ。動かぬ証拠かと思われたが、両さんは“これは酢を作る工場だ”と言い張り、即座に撤去。
跡地にアルコール反応が検出されても、“ビールを撒いたからだ「地面にビールを撒く会」の会長をしてるから義務だ!”と、言い訳をする。めちゃくちゃな言い分だが、それでも密造の確たる証拠はない。もはや副業の枠では収まらない「プロの仕事」である。
では両さんの商売は成功したかといえば、そうではない。大原部長の誘導尋問に引っかかり、ポロッと自白してしまったのだ。どんなに手際がすばらしくても、人間はうっかりミスをしてしまうもの。悪いことはできないのだろう。
副業はえてしてエネルギーを使うものである。本業や家事との両立はとても大変で、続かない人も少なくない。警察官でありながら数えきれない副業をこなす両さんのバイタリティは「大副業時代」の現代こそ見習うべきではないだろうか。
とはいえ、今回紹介した副業はいずれも参考にすべきではない。両さんのメンタルだけ参考に、副業選びは自分に合ったものを探すようにしたいところだ。