
みなさんは漫画の「あるあるシーン」といえば、どんなものを思い浮かべるだろうか。とくに激しい戦いが繰り広げられるバトル漫画においては、「もう負ける!」と思った瞬間に仲間が助けに来たり、瀕死の状態に追い込まれたのちに新たな力を発揮して逆転……といったケースは多いように思う。
今回はそんな『週刊少年ジャンプ』(集英社)のバトル漫画において、一度は見聞きしたことのあるシーンを昭和の人気漫画を中心にピックアップしてみた。「ああ、そんなシーンあったな……」という懐かしさとともに、楽しんでいただきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■死んでいたはずのキャラが…実は生きていた!
まずは、昔のバトル漫画のお約束の展開ともいえる「死んだはずのキャラが生きていた」というシチュエーションだ。それが顕著に登場するのが、1985年より連載が開始された『聖闘士星矢』(車田正美氏)だろう。
本作は青銅聖闘士である主人公・ペガサス星矢とその仲間たちが、アテナを守るべく宿敵と戦うストーリーだ。味方キャラのほとんどが死んだと見せかけて生き返っているのだが、なかでもフェニックス一輝とドラゴン紫龍は何度も蘇っている。
たとえば一輝は黄金聖闘士・双子座のサガとの戦いにより宇宙の塵になって死んだはずだが、その後「フェニックス一輝!! 地獄の果てよりまたもや舞い戻ってきたわ!!」のセリフとともにしれっと復活している。
また山羊座のシュラと戦った紫龍も自身の肉体を消滅させる禁じ手で死んだはずが、山羊座の聖衣を着られたおかげで生還しているのだ。
『聖闘士星矢』は「実は生きていた……」というシチュエーションが大変多いため、ある意味ではファンも安心して見られる作品といえるだろう。
また、1983年より連載が始まった『北斗の拳』(原作:武論尊氏・作画:原哲夫氏)のケンシロウの恋人・ユリアも、死んだはずが生きていたという展開を迎えている。
しかもユリアの場合は“自殺をしたが実は救出されていた”、“ラオウに殺されたが実は生きていた”と、2度の生還を果たしている。絶対的なヒロイン・ユリアの生存という展開に、思わずホッとした読者も多かったのではないだろうか。
■下は骨まで溶かす溶岩…少年漫画に多い溶岩バトルシーン
昔の少年漫画におけるバトルシーンでは、とんでもない舞台が用意されていることも多かった。なかでも「あるある」だったのが、戦いが繰り広げられる舞台の下が灼熱の溶岩で、落ちたら死んでしまうというケースである。
そのような舞台が多く登場するのが、1985年から連載された『魁!!男塾』(宮下あきら氏)だ。男塾のメンバーと敵グループが戦うシーンが多い本作には、とんでもないシチュエーションで戦うパターンがよく見られた。
たとえば、格闘行事「大威震八連制覇」でのこと。飛燕と独眼鉄が戦った舞台は、なんと梯子の上だった。その下は濃硫硝酸がボコボコと泡立っており、落ちたら骨まで溶けてしまうという恐怖の設定だ。
また、その後に登場する伊達臣人と男爵ディーノとの戦いでは石油の湖が舞台になっており、燃え盛る湖面に浮かぶ舞台上で戦うこととなる。落ちたらひとたまりもない状況で、相手の命を奪うバトルを展開するのだからとんでもない。
また、1989年(平成元年)から連載が開始された『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(監修:堀井雄二氏、原作:三条陸氏、作画:稲田浩司氏)にも、氷炎将軍フレイザードとの戦いにて死火山が爆発し、溶岩の海にダイたちが取り残される場面が登場している。
本作は1986年に発売され、大ブームとなったゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズが題材になっていた。思えばその当時のゲームも、下の溶岩に落ちたらゲームオーバーといった展開がやたら多かった。『スーパーマリオ』シリーズでも溶岩の面はなかなかクリアできず、泣かされたものだった。