
登場人物たちの他愛ない日々のやり取りやちょっとしたドタバタ劇など、独特の“緩さ”で観ている者を癒す「日常系アニメ」。学生のキャラクターに焦点を当てた作品も非常に多く、学業に打ち込む傍ら、仲間たちと繰り広げる日常のワンシーンがなんとも微笑ましく、大人になった今となっては眩しくも感じてしまう。
そんな観る者をほっこりさせる日常系アニメだが、実は続編やスピンオフのなかでキャラクターの「その後」が描かれているものも多い。月日が経過したのち、彼らはどんな姿になり、どのように生きているのだろうか?
今回は意外と知られていない、日常系アニメキャラたちの成長した姿を振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■今度のミッションはキャンプ場づくり!?『ゆるキャン△』
同好会「野外活動サークル(野クル)」に所属する女子高生たちを主軸に、彼女らが繰り広げる学校生活やさまざまなスタイルのキャンプ模様を描いた、あfろ氏の『ゆるキャン△』。
2015年より『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)にて連載された人気作で、女子高生たちの微笑ましい交流だけでなく、キャンプ道具の使い方や豆知識、思わず食欲をそそられる“キャンプ飯”も見どころとなっている。
そんな本作は2022年に公開された劇場アニメ『映画 ゆるキャン△』にて、主人公・各務原なでしこをはじめ、お馴染みの「野クル」メンバーの大人になった姿が描かれた。
まず、本編でキャンプの魅力にどハマりした天真爛漫な少女・なでしこだ。彼女は東京のアウトドア用品店の店員として働いていた。学生時代に抱いたキャンプ熱は今も健在で、ロードバイクや山登りまでこなすバリバリのアウトドア派へと成長している。
一方、なでしこがキャンプの魅力に気付くきっかけとなったもう一人の主人公・志摩リンは名古屋の小さな出版社に就職し、編集者としてタウン情報誌の制作に携わっている。日々の仕事に忙殺されていたリンだが、本作では彼女の何気ない一言をきっかけに「野クル」が“キャンプ場を作る”という目的に向かって進んでいくことに。
さらに「野クル」部長として活躍していた大垣千明は地元・山梨の観光推進機構の職員に、おっとりした関西弁が特徴の犬山あおいは山梨にある小学校の教員に、愛犬・ちくわを愛する自由人・斉藤恵那は横浜のペットサロンでトリマーに……と、それぞれが学生時代からの性格や持ち味を生かした進路へと進んでいる姿が見られた。
再集結した「野クル」は、どんなキャンプ場を作り上げるのか……。大人となった彼女らが繰り広げる緩くも暖かいキャンプ風景を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。
■個性豊かな4人の気になるその後とは…『らき☆すた』
漫画家・美水かがみ氏の手掛ける『らき☆すた』は、オタクな女子高生・泉こなたを中心に、4人の生徒たちが繰り広げるまったりとした日々をつづった4コマ漫画作品だ。
2007年にアニメが放送されたことで爆発的な人気を博し、作品のモデルとなった土地を聖地巡礼するファンが現れたりと、日常系作品として数々の伝説を打ち立てている。
アニメ版では主にこなたたちが通う「陵桜学園」での日常風景が描かれているのだが、実は原作漫画やファンブックでは、キャラクターたちの高校卒業後の進路が明らかとなっている。
自由奔放な明るい性格のオタク少女・こなたは、無事に大学へと進学。アニメにも登場した日下部みさおと同じ大学のようで、大学生になってもそのマイペースさは変わらずだ。
また、随一の常識人として鋭いツッコミで活躍していた、リボンで結わえたツインテールが特徴的な柊かがみ。そのツンデレぶりからも高い人気を誇る彼女もまた、大学へと進学。こなたらとは違う大学の法学部に在籍しているらしい。
そして、おっとりした性格をしたかがみの双子の妹・つかさの進路については長らく謎のままだったが、ファンブックにて、調理系の専門学校へと進学したことが明らかとなった。料理の腕はめきめきと上達しており、これがきっかけで姉・かがみの体重も増加する一方だという。
原作でも医者志望であることが描かれた高良みゆきは、夢を叶えるべく大学の医学部へ進学。家庭教師のアルバイトを始めたりと、相変わらずハイスペックな人物として存在感を放っていた。
進学とともにそれぞれの居場所へと巣立った4人だが、ファンとしては大学生として成長した彼女らが再び一堂に会する姿を、つい想像してしまうのではないだろうか。