■実は回収されていた幻のガンダム

 最後に紹介したいのは「Gー3ガンダム(RX-78-3)」だ。同機の名称は富野由悠季氏の小説『機動戦士ガンダム』(KADOKAWA)にも登場するが、のちに発表された「MSV(モビルスーツバリエーション)」の設定とは多少異なる。

 諸説あるもののMSVのG-3ガンダムの設定によれば、アニメ『機動戦士ガンダム』の第1話でサイド7のコロニー内に秘匿されていた機体のうちの1機とされている。

 ジオンのザクIIによる攻撃で小破したガンダムの1機がホワイトベースに搬入され、アムロ機の予備パーツとして利用される予定だったという。だが、その後に機体は修復され、連邦の研究所に引き取られる。そして当時の最新技術であるマグネット・コーティングや熱核反応炉用のレーザー加速器などを換装されテスト機として運用された。

 それにともない機体性能は大幅に強化され、全身はグレーのカラーリングに塗装。機体の形式番号もRX-78-3に変更され、「G-3ガンダム」と呼ばれるようになったという。

 なおG-3ガンダムはガンダムNT-1と並行で強化・開発されたこともあり、データなども互換性があるとされる。もしも一年戦争が終わっていなかったら、アムロがGー3ガンダムに乗る未来があったのかもしれない。

 ちなみに小説版の『機動戦士ガンダム』では、半壊したガンダムに変わりG-3が新たなアムロの搭乗機となる。だがア・バオア・クーにてジオンのリック・ドムのビームバズーカの直撃を受けGー3は撃墜、アムロも戦死している。

 

 アニメなどの映像作品で描かれたアムロ・レイの搭乗機体は限られているが、設定上ではいろんな機体が用意され、彼が乗る可能性が示唆されていた。もしもアムロがこれらの高性能機に乗っていたら、そのときはどのような戦いぶりを見せてくれたのだろうか。

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