
『ドラクエ』シリーズのなかでも有名モンスターの一種である「メタル系モンスター」たち。「メタルスライム」「はぐれメタル」「メタルキング」などは、その名を耳にするだけで胸がときめくプレイヤーも多いことだろう。
メタル系の大きな特徴としては、倒したときの獲得経験値の多さが挙げられる。キャラクターのレベルアップに大きく貢献してくれる存在のため、出現時には細心の注意を払い、どの敵よりも優先して撃破を狙ったものだ。
レベル上げに要する時間を短縮してくれるありがたいモンスターだけに、思い入れのあるプレイヤーも多いはず。そんなメタル系は、さまざまな特徴を持つ『ドラクエ』シリーズでも屈指の個性派モンスターでもあった。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■あらためて振り返る「メタル系」の特徴
メタル系モンスターに共通する特徴としては、頑丈なメタリックボディが挙げられる。守備力と素早さが高く、ほとんどの呪文は効かない。それにすぐに逃げ出してしまう傾向もあり、倒すのは非常に困難だった。
そして『ドラクエ』シリーズ初となるメタル系モンスターが「メタルスライム」。シリーズの原点である第1作『ドラゴンクエスト』から登場し、なんと『ドラクエ11』までの全ナンバリングタイトルに出現する。
メタル系は呪文を受けつけないのが特徴ではあるが、なぜかファミコン版『ドラクエ』のメタルスライムだけは、まれに呪文が効いてしまう。その確率は会心の一撃が発生するよりも高く、一か八かギラで攻撃してみるのも手だった。
その後のシリーズではメタルスライム以外にも、はぐれメタル、メタルキングなどが登場するようになり、倒したときにプレイヤーが得られる経験値も増えていった。
また作品よっては、大量の経験値以外にもメタル系を倒すメリットがあった。たとえば『ドラクエ3』に登場するはぐれメタルは倒したときに貴重な「しあわせのくつ」をドロップすることがあり、『ドラクエ5』では超低確率ではぐれメタル自身を仲間にすることもできたのである。
■続々増えていくメタル系のバリエーション!
『ドラクエ』シリーズの進化とともに、メタル系モンスターたちのバリエーションも増加していった。前述したメタルスライム、はぐれメタル、メタルキングは定番ではあるが、『ドラクエ7』ではそれらの上位種にあたる「プラチナキング」が初登場。倒したときに得られる経験値は、驚異の「65000」を誇る。
外伝作品である『ドラクエモンスターズ』シリーズに目を向けると、皇帝のようなゴージャスな見た目をした「メタルカイザー」や、特大のはぐれメタル「はぐれメタルキング」、宇宙要塞のような姿をした「メタルスター」、神秘的な翼を持つ「メタルゴッデス」といったバリエーションが登場し、正直何でもありの状態になっている。
ナンバリングタイトルに登場するメタル系の仲間のなかで、とくに強烈なインパクトがあったのが、『ドラクエ11』に登場する「ウルトラメタキン」だ。3体のメタルキングが合体し、超巨大なメタルキングの姿をしていた。
しかもウルトラメタキンとの戦闘時には「簡単に戦いの経験を得ようなどという淡い夢を抱いたふざけた冒険者は、この我がすべて一掃してくれるわっ!」と、まさかの「メタ発言」をするのもおもしろい。
ちなみに書籍『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑』(スクウェア・エニックス)の「はぐれメタル」の解説文によれば、「どれだけ長く冒険者の攻撃に耐えて逃げるかを競っているらしい」とも書かれている。
実はメタル系も冒険者との戦いをゲーム感覚で楽しんでいる個体がいるのかもしれない。