
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の第6話に登場した「バスク・オム」という人物。キシリアの暗殺を企てる地球連邦軍の少佐である彼は、極右の特殊部隊創設を準備中だという。
そんなバスク・オムは、宇宙世紀の『ガンダム』作品を知っている人のあいだでは有名な人物だ。テレビアニメ『機動戦士Zガンダム』で初登場し、問題行動を連発して視聴者をドン引きさせた劇中屈指の悪役である。
『ガンダム』作品では珍しく、生粋の悪者といっても過言ではないバスク。そんな彼が行ってきた、にわかには信じがたい悪行の数々を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■司令官自らが白昼堂々の暴力行為
『機動戦士Zガンダム』で、地球連邦軍の特殊部隊「ティターンズ」の総司令官を務めていたバスク・オム。ジオンの残党狩りを目的に創設されたティターンズの司令官としてスペースノイドに対して極めて強い憎悪を抱き、どれほど非道な作戦であっても涼しい顔で遂行する。
なお、彼は一年戦争時にジオンの捕虜になった際に受けた拷問がきっかけで反スペースノイド主義に振り切ったという説もあるが、少なくとも映像作品に拷問のような描写は存在しない。
地球至上主義を掲げるティターンズのメンバーの多くはエリート意識が強く、その指揮官であるバスクも他人に対する横柄な態度を隠そうともしなかった。それを象徴する場面が『Zガンダム』の第2話に描かれている。
ティターンズはスペースコロニー内部でガンダムMk-IIの運用試験を行っていた。そのためエゥーゴにMk-IIを奪われた際の戦闘では、居住区にも被害が出ている。同じ連邦のブライト・ノアからそのことを非難されたバスクは、ブライトの顔面を思いきり殴打。「一般将校は黙っていろ、ここはティターンズの拠点である」「正規の連邦軍とやり方が違う」と言い放った。
さらにブライトより階級が下のカクリコン・カクーラーや、ジャマイカン・ダニンガンが殴る蹴るのリンチを加えるのを黙認し、バスクはその場を立ち去っている。
仮にも一年戦争の英雄であるブライトへの暴行シーンを目の当たりにして、衝撃を受けた視聴者は多かっただろう。
ほかにも、バスクが提案するコロニーに毒ガスを注入する作戦に反対したレコア・ロンドに対し、「うぬぼれるな」と一喝。彼女の顔面を殴打する場面もあった。たとえ相手が女性だろうと、バスクの暴力に一切の容赦はないのだ。