■一発芸ならもしかして? くだらなすぎて使い道がわからない魔法も
フリーレンが楽しそうに集めている魔法の大半は、同行者から「くだらない」と言われる。ここからは、そう言われても仕方ないほど使い道がわからない魔法を紹介しよう。
第64話でダッハ伯爵から報酬としてもらった「赤リンゴを青リンゴに変える魔法」は、名前からしてしょうもない。赤リンゴと青リンゴは一応味も栄養素も違うようだが、この魔法は見た目だけでなく中身も変わるのだろうか?
また、第77話に出てきた「早口言葉を噛まずに言えるようになる魔法」に至っては、愛弟子のフェルンから「本当になんの役にも立たなさそうですね…」と、辛口評価を受けている。アナウンサーや声優は早口言葉を上手に言えるように練習をするが、それは正確な発声をするための訓練であって早口言葉だけうまく言えても本末転倒だろう。
ほかにも「紙飛行機を遠くに飛ばす魔法」や、ミニアニメ『葬送のフリーレン ~◯◯の魔法~』に出てきた「語尾が変なふうになる魔法」など、挙げていけばキリがないほどフリーレンの世界にはくだらない魔法が溢れている。
とはいえ、魔法の名前からしてユーモラスで「くだらないなぁ」と笑えるのも事実だ。宴会の一発芸で使えば、人気者になれるかもしれない。
■これは使いたくない! デメリットがヤバすぎる魔法
最後は、便利か否か以前にリスクが大きすぎて封印しておきたい魔法を見てみよう。
『葬送のフリーレン ~◯◯の魔法~』で取り上げられた「考えていることを言ってしまう魔法」は、かなり危険だろう。ハイターが「人間関係を壊しかねない」と言っているように、軽い気持ちで他人に使えば悪い結果を招きかねない。ちなみに作中では、使われたヒンメルが「僕はなんてイケメンなんだろう」と自画自賛するだけで済んだ。
極めつけは、「一級魔法使い試験編」でフリーレンの複製体が使用した「命懸けで宝物庫の扉を閉じる魔法」だ。封印された扉は術者が死ぬまで決して開くことはない強力な魔法だが、逆に言えば扉を開けたい輩に命を狙われてしまう。大切なものをしまう金庫を守るために命を危険に晒すのは、現実の倫理観ではちょっと厳しいものがある。
以上の2つの魔法は現実で使うには物騒すぎるし、悪用しようと思えばいくらでもできてしまいそうだ。魔法がフィクションの存在で良かったとしみじみ思う。
『葬送のフリーレン』に出てくる魔法をいくつか見てきた。生活感に溢れていたり使い道に困ったり、多様性にもほどがある魔法の数々を眺めて「これは使ってみたい!」とあれこれ想像するのも、本作の楽しみ方といえる。
あなたが実際に使ってみたい、あるいは絶対に使いたくない魔法はあっただろうか?