■頼もしい少年に訪れた「突然の悲劇」
2007年にアニメ化された『ぼくらの』は、鬼頭莫宏氏による漫画が原作。夏休みに自然学校に参加した15人の子どもたちが謎のロボット「ジアース」のパイロットになり、地球を侵略しようとする謎の敵と戦うことになるストーリーだ。
ヒロイックなロボットアニメのような導入から始まり、最初のパイロットに選ばれた少年“ワク”こと、和久隆を中心に描かれる。
活発なワクは少年たちを牽引するリーダー的存在で、やる気も十分。そして出撃した初戦、ワクはサッカー経験を活かした蹴り技で敵機の急所を破壊。見事勝利をおさめて雄叫びをあげた。
今後、頼もしい中心人物になっていくと思われたワクだったが、仲間が軽く背中に触れただけで全長500mを超えるジアースから真っ逆さまに転落。激しく損傷した遺体となって発見された。
当初は転落事故と思われたが、のちにジアースの操縦者は命を奪われるという事実が判明。ワクは転落する前にすでに絶命していたことが分かった。
『ぼくらの』は戦闘のたびに毎回パイロットが死んでいくという絶望的な展開で、そもそも特定の主人公は見当たらない。しいて言うなら、ワクが転落したときに背中に触れた少年“ウシロ”こと宇白順が最後のパイロットとなり、見せ場の多い存在だった。
どれも主人公だと思っていた人物が突然の死を迎え、そのときのインパクトが忘れられないアニメばかり。いろんな意味で視聴者の予想を裏切ってくる作品は物語の先が読めず、ハラハラさせられるものが多い。この中に皆さんが衝撃を受けたアニメ作品は含まれていただろうか。