
そのタイトルから王道の魔法少女モノかと思いきや、3話で残酷すぎるシーンが描かれ、途端に不穏な空気が漂ってきた『魔法少女まどか☆マギカ』。「勇者シリーズ」や「エルドランシリーズ」のような正義のロボットアニメを連想させつつ、実はロボットが強烈すぎる自我を持ち、愛情をもって主人公に迫ってくる『勇気爆発バーンブレイバーン』など、いい意味で視聴者の予想を裏切るアニメが存在する。
そういった視聴者の思い描く展開とは全然違うストーリーが描かれた作品を好むファンは少なくない。そこで本記事では、主人公だと思って観ていた人物が「実は全然違った」、衝撃のアニメ作品を振り返っていきたい。
※本記事は各作品の核心部分の内容を含みます。
■主人公だと思った人物を襲う「まさかの仕打ち」
2020年にアニメが放送された『無能なナナ』は、『ガンガンONLINE』(スクウェア・エニックス)に連載中の同名漫画(原作:るーすぼーい氏、作画:古屋庵氏)が原作。特殊な能力を有する少年・少女が集められた孤島にある学園が舞台である。
その学園になぜか能力が使えないという「中島ナナオ」が編入。クラスでは「無能クン」とバカにされてコンプレックスを抱くナナオは、転校生の少女「柊ナナ」と出会ったことで運命が変わっていく。
その導入を観て、誰もがナナオが主人公だと思ったはず。しかし、ナナオが「他人の能力を打ち消す」という能力を持っていたことを公表した直後、柊ナナによって崖から突き落とされてしまうのだった。
実は同作の主人公はナナオではなく、柊ナナのほうだったという「どんでん返し」。定番の「能力者+学園モノ」の作品だと勘違いして、ヒーローに憧れているナナオの成長物語が描かれるものだと勘違いした人は多いだろう。
ちなみに同作に描かれるどんでん返しはこれだけにとどまらず、話が進むごとにさまざまな衝撃が待っている。
■巧妙なフェイク情報がもたらした「強烈なインパクト」
2008年に放送されたアニメ『喰霊-零-』は、瀬川はじめ氏による漫画『喰霊』の前日譚を描くオリジナルストーリーが展開される作品。
漫画の『喰霊』は退魔師として活躍する弐村剣輔が主人公で、ヒロインの土宮神楽との妖怪退治ものだった。しかしアニメ『喰霊-零-』は防衛省特殊部隊「超自然災害対策本部特殊戦術隊第四課」、通称「特戦四課」に所属する観世トオルを中心に描かれる。
放送前の公式情報では、特戦四課の観世トオルが主役のアニメオリジナルシナリオとされていたが、第1話のラストで観世トオルを含む特殊部隊「特戦四課」はあっけなく全滅。第2話からは「諫山黄泉」と『喰霊』のヒロインである「土宮神楽」が本当の主人公として描かれた。
まさかの公式によるフェイク情報でプロモーション展開されたことに、衝撃を受けた視聴者は多かったはずだ。
とはいえ、『喰霊-零-』の第1話の完成度はかなり高く、特戦四課のメンバーは1話限りの登場にもかかわらず人気キャラに。そのときのインパクトはいまだに語り継がれている。