■本当に呪われそうで怖かった『シャキーン!』ノロイちゃん
『ノロイちゃん』は子ども向け番組『シャキーン!』に登場した、天使のようなキャラクターである。2015年11月より放送されたが、視聴者より「怖い」という声が殺到したため、わずか5回の登場で終了となった伝説的なキャラクターでもある。
登場当初、ノロイちゃんは可愛らしい天使のビジュアルをしている。しかし「これから悪魔が出てくるわよ」「見たら呪われちゃうんだから」と忠告し、視聴者に親指で悪魔を隠すよう伝える。
その後「見ないで~~~」と叫んだあと、巨大な目と口になり闇落ちしたノロイちゃんが登場。声まで悪魔のようになったノロイちゃんの動きは早く、とてもじゃないが親指で隠せるものではない。その間ノロイちゃんは、“私を見たらやった宿題を家に忘れる”、“授業中眠くなる”といった呪いをかけるのだ。
見返してみると、とても遊び心のある演出だと思うが、幼い子どもにとってはなかなかのトラウマ動画と言えるだろう。
ノロイちゃんの呪いはどれもたいしたことはないのだが、見ている純粋な子どもであれば、学校で嫌なことがあったら、“朝、ノロイちゃんを見たせいだ”と、落ち込んでしまうかもしれない。
悪魔のようなノロイちゃんの姿はホラー動画でよく見るようなビジュアルであり、これが『Eテレ』で朝から堂々と放送されていたことを考えると驚きである。
『Eテレ』の子ども向け番組は、基本的に可愛くて子どもたちから人気のあるキャラクターが多い。しかしなかには今回紹介したような独特のビジュアルを持つキャラもおり、違う意味でインパクトを残した番組も多かった。
こうしたキャラは失敗のようにも見えるが、その反面、その大きな印象から大人になってから思い返す機会も多いだろう。そう考えるとちょっと怖いキャラクターたちも、いろいろな意味で子どもたちの成長に貢献しているといえそうだ。