■原作もアニメもトラウマだった『キン肉マン』ブロッケンマン
ゆでたまごによる『キン肉マン』(集英社)でのブロッケンマンとラーメンマンの戦いも、かなり衝撃的でトラウマ級である。超人オリンピックでのふたりの対決は、「残虐超人」の名に恥じないものだった。
ブロッケンマンは試合開始を待たずにラーメンマンを踏みつけ、タコ殴りにし、口からガスを吐き出す……。これにはラーメンマンも追い込まれたように見えたが、そこからの反撃がスゴいのだ。
ラーメンマンはブロッケンマンの足を払って倒すと、口の中につま先を勢いよく突っ込んだ。最終的には背中に乗っかりキャメルクラッチの体勢に入って力を込める。この時のラーメンマンは「だはははは」などと愉快そうに笑い声をあげていて、かなり不気味だ。
そして、そのままブロッケンマンの胴体を真っ二つにして、上半身のほうを得意げに持ち上げる。その断面から血が滴る描写には思わず目を覆いたくなった。
ちなみにこのシーンはアニメでは改変されている。キャメルクラッチまでの流れは同じだが、そこからブロッケンマンは体を折りたたまれ、生地のようにこねくりまわされ……。なんと、伸ばして麺にされ、ラーメンとして食べられてしまったのだ。
原作の描写が残虐すぎるからこその配慮だったのかもしれないが、これはこれである意味恐ろしい。大人になった今でも脳裏に焼き付いているほどだ。
■身体が真っ二つに…『ジョジョの奇妙な冒険』ツェペリ
最後は荒木飛呂彦さんによる『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)を見ていこう。本作の第1部は無惨な死亡描写が多いが、中でもジョナサン・ジョースターの師匠であるウィル・A・ツェペリの死亡シーンはショッキングだった。
それはタルカスとの「チェーン首輪(ネック)デスマッチ」の中で起こってしまう。タルカスは剛腕の持ち主で、巨大な鎖を軽々と振り回して襲い掛かってきた。腕力で劣るツェペリは波紋を駆使して戦おうとするが、避けられてしまい逆襲を受ける。
この時ツェペリはチェーンを体に巻きつけられ、激しい勢いで引っ張られたことにより上半身と下半身が分かれてしまった……。このシーンは2ページにもわたり大きく描かれており、初見の時は衝撃を受けた。
しかも、その見開きにいく前に骨の砕ける音だけが響き渡り、スピードワゴンが絶叫していたので、次のページを開くのが怖くなったこともよく覚えている。
今でも思い出すだけでゾッとしてしまう、昭和の漫画の「凄惨すぎる死亡描写」。初めて読んだ時からかなりの時間が経っているはずなのに、そのシーンが鮮明に脳裏に焼き付いているから不思議だ。