「エヴァ初号機」に『トップをねらえ!』完コピも…『ジークアクス』に隠された「注目のオマージュ」シーンの画像
Laser Disc版「トップをねらえ! Vol.2」(バンダイメディア事業部) COPYRIGHT 1988 (C)BANDAI・VICTOR・GAINAX

 『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)は、アニメ『エヴァンゲリオン新劇場版』などを手がけてきた「スタジオカラー」が制作することで話題を呼んだ。

 その『ジークアクス』の監督は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズでもおなじみの鶴巻和哉氏が務め、エヴァの生みの親であり、現在はスタジオカラーの代表取締役社長を務める庵野秀明氏も脚本として名を連ねている。

 庵野秀明氏の監督作品といえば『エヴァ』のほかにも、アニメ初監督作品となるOVA『トップをねらえ!』なども有名だ。

 そして実は、現在放送中の『ジークアクス』には、これまでの庵野作品のオマージュと思われる描写が登場している。とく5月27日放送の第8話には、庵野秀明氏のファンが歓喜するオマージュシーンも飛び出した。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■衝撃の戦闘描写をまさかの完コピ?

 『ジークアクス』第8話「月に墜(堕)ちる」の前半では、一年戦争と呼ばれる地球連邦軍とジオン公国軍の戦争の最終盤が描かれた。敗北は免れないと悟った地球連邦軍は「ソロモン要塞落下作戦」を決行。ジオンの拠点である月面都市「グラナダ」にソロモンを落とそうとする。シャア・アズナブル率いるソドン艦隊は、その凶行を阻止するために出撃する。

 このとき向かったのはシャアの母艦である強襲揚陸艦「ソドン」を含む、たった4隻のみ。これだけで連邦軍の防衛網の突破を狙う。

 シャアが搭乗する「赤いガンダム」と、シャリア・ブルが乗るモビルアーマー「キケロガ」は、艦隊の血路を切り開くために先行。このときの戦闘描写は、『トップをねらえ!』第5話の戦闘シーンのオマージュにも見えた。

 『トップをねらえ!』では、地球に迫りくる膨大な数の宇宙怪獣に対し、宇宙戦艦「ヱクセリヲン」に搭載された縮退炉を敵の中心で暴走させ、人工ブラックホールを作り出して宇宙怪獣を巻き込む作戦を決行する。

 主人公のタカヤ・ノリコと相棒のアマノ・カズミの2名は、たった2機のバスターマシンでこの作戦の要であるヱクセリヲンの護衛任務を担った。

 ノリコとカズミが乗るバスターマシンが突撃していく軌道と、シャアとシャリア・ブルの機体が突入していく描写はそっくりで、「敵との相対距離を測るスコープ」「たった2機で敵の大群に突っ込む動き」「大量の敵をビームで薙ぎ払う描写」など、見比べるとほぼ同じに見えるシーンはいくつもある。

 この演出に気づいたファンは騒然となったが、当の庵野秀明氏は「『月に墜ちる』に『トップをねらえ!』みたいなカットがいくつかありますが、あの辺りの画コンテは僕じゃないです。鶴巻監督です」とSNSにコメントしている。

 『ジークアクス』の監督を務める鶴巻和哉氏は、『トップ』の続編である『トップをねらえ2!』の監督でもあり、この戦闘シーンは何度も見てきたはず。「絶望的な状況に挑む2人組」という状況にふさわしい描写として、このオマージュを取り入れたのだろうか。

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