■「お客さまがネタを拾ってくれたとき」のうれしさ

――仕事をしていて、どの瞬間が一番楽しいですか?

長尾:自分にしかわからないような細かいネタをお客さまが拾ってくれたときなど、「気づいてくれたんだ!」と思うときが楽しいですね。作ってよかったなあと思います。『ズボラちゃん』が干す下着が上下バラバラだったり床拭きシートの裏側が汚れていたり、そういうことに気づいてくれるとうれしいです。

岡本:新商品の中だとスーパー系のお惣菜アイテムがすごいと思います。レジ袋やラベル、値札シールがリアルに再現されているし、惣菜ケースを開けて中のお惣菜を取り出せるし、特に感動したのはナスの煮浸しです。

撮影/ふたまん+編集部
撮影/ふたまん+編集部

 

――こういった細かすぎるフィギュアは、制作工程にいる原型師の方に「やりすぎ!」など怒られたりしませんか……?

長尾:弊社の原型師は昔から働いている者が多く、どちらかというとこだわりこそ徹底的に再現しようとしますね。「一緒にやっちゃいますか!」というテンションで挑んでくれます。逆に、お客さまから「ここまで細かいとなくしちゃうよ」という声もありますね。

岡本:「付属のシールが細かすぎる」とかもありましたね。お客さまでシールを貼ってもらい完成するものは、爪の先でもつまめないほど小さいものもあるんです(笑)。『よきかな和の暮らし』(2017年12月発売/販売終了)の将棋の駒も細かかったですね。

長尾:ああ、伝説の!

岡本:そういったところも楽しんでもらえるとうれしいです!

※「縁側でのひと勝負」『よきかな和の暮らし』(2017年12月発売/販売終了商品)。将棋の駒が40個付属しており、購入者が駒にひとつひとつシールを貼る仕様だった

「縁側でのひと勝負」『よきかな和の暮らし』(C)2025 RE-MENT

――さまざまな工程を経て、企画立案から発売まで、どれくらいの時間を要するんでしょう。

長尾:商品発売まで、だいたい8か月から1年ほどです。フィギュアなので、元になる原型を作り工場で型を起こす作業があり、やっぱり結構時間はかかりますね。

――じゃあブーム性のある企画はしにくいですね。

岡本:そこが本当に難しいんです。

長尾:最近の流行りをテーマに取り入れると、「1年後これまだある?」という心配があり、流行りものは怖いですね。他にも、『魔法魔術~』や『天文学者の不思議な研究所』(2023年1月発売/販売終了)などのファンタジーな世界観をテーマにした企画ではありますが、企画者も相当こだわりを持ち作っていますし好きな人にとってはダイレクトに刺さる世界観だと思います。やっぱり、出してみないとどれほど買っていただけるかわかりませんしね。

――ファンタジー系は男性のファンも多そうですよね。

岡本:男性ファンも以前よりは増えていると思います。成人女性をメインターゲットとしていますが、最近は購買層がかなり広がっていますね。

■インタビューに応じた株式会社リーメントの開発本部・長尾百恵さん(左)と営業本部の岡本真侑さん。『ぷちサンプルシリーズ』への愛にあふれていました!

撮影/ふたまん+編集部

■インタビュー第2回は6月11日(水)公開予定!

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