
『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)が絶賛放映中。毎話のように、ガンダムファンを驚かせる衝撃展開が続いている。
その作中では、過去の『ガンダム』作品でおなじみのモビルスーツ(MS)やキャラクターが登場することも。『ジークアクス』の舞台は宇宙世紀0085年ではあるが、大胆にアレンジされた一年戦争時の機体の活躍に注目しているファンは多そうだ。
そんななか、第7話にMSの「ギャン」が登場。初代『機動戦士ガンダム』に登場した機体ではあるが、ゲルググと主力MSの座を争って敗北。それ以降、とくに映像作品ではあまり見かけることはなくなった悲しい機体である。
しかし、そんなギャンが『ジークアクス』のなかで突如脚光を浴びた。リファインされた姿や新武装などを掘り下げつつ、作中で開発が続いていた背景を考察していきたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■初代『ガンダム』でのギャンの活躍は?
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』においてギャンは、ジオン軍の地球資源採掘基地などを統括していた「マ・クベ」の搭乗機として登場。アニメ第37話では「ギャンは私用に開発して頂いたMSだ」とマ・クベ自身が語っており、敬愛するキシリアから賜った機体というニュアンスが感じられた。
しかし、実際はマ・クベ専用に作られた機体というわけではなく、次期主力MS用に試作された3機のうちの1機が彼専用にカスタムされたものとされている。しかもギャンは、ジオン軍における「第二期主力MS開発計画」にて、ゲルググと主力MSの座を争って敗北した。
ギャンのデザインは中世の西洋甲冑を思わせるもので、武装も専用のビームサーベルと円形のシールドを所持。盾に内蔵されたニードル・ミサイルと宇宙機雷ハイド・ボンブなどもあるが、基本的には白兵戦に特化した機体である。
劇中でマ・クベが乗るギャンは、アムロ・レイのガンダムと激突。知略を用いる名将マ・クベらしく、先発したドムとの戦闘で残弾を消耗させ、爆弾と機雷を巧みに操ってガンダムを誘導。ギャンが得意とする白兵戦に持ち込んだ。
マ・クベが操るギャンの剣撃はたしかに凄まじかったが、ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロには通用せず。最終的にギャンの胴体を真っ二つにされて敗北した。
短い戦闘シーンではあったが、ギャンは持ち前の白兵戦能力を示し、マ・クベはパイロットとしても非凡なところを印象づけている。
ちなみにメカニックデザイン企画「MSV-R」の設定によると、試作されたギャンの残り2機は「ギャン・エーオース」に改修。突撃機動軍の旗艦直衛部隊に配備され、キシリア・ザビの親衛隊機として使用されたという。なお余談だが、劇場版『ガンダム』にギャンは登場していない。
■『ジークアクス』で生まれ変わったギャンの勇姿
ギャンは初代『ガンダム』では出番も少なく、ゲルググとのコンペにも敗れてしまった悲しい機体だった。しかし、そんなギャンが『ジークアクス』にて、まさかの登場を果たす。
番組公式サイトによると、その機体名は「エグザベ専用ギャン(ハクジ装備)」とされている。
パイロットのエグザべ・オリベは「フラナガンスクール」を首席で卒業した優秀な人物であり、ニュータイプとしての素質も持つ。第7話では、そのエグザべがギャンの専用機に乗り、キシリアを守るために戦場に降り立った。
『ジークアクス』でのギャンはホワイトを基調としたカラーリングで、「白騎士」「聖騎士」といったイメージ。白のボディにゴールドの装飾が施され、まさに高貴な人物を守る親衛隊にふさわしい印象を受ける。
巨大な槍のような形状をした近接武器「ハクジ」は推進機(ブースター)も兼ねているという。さらに円形の大型シールドを持つが、ミサイルの射出孔らしいものは見えない。また両腰には2本のビームサーベルを帯びていた。
7話ではエグザべ専用ギャンの本格的な戦闘シーンは見られなかったが、キシリアを危機から守るために颯爽と登場。キシリアの護衛騎士としての役割をしっかりこなしており、かつてギャンを愛用していたマ・クベもさぞかし喜んだことだろう。