「戦人」「祭」「亜愛子衣」はなんと読む?漫画&アニメ「初見じゃ絶対わからない」難読名前キャラの画像
アニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』キービジュアル (C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会

 戸籍の氏名に読み仮名を記載する改正戸籍法が5月26日に施行された。改正法では、読み方についても「一般に認められているものでなければならない」という要件が加わり、新生児の場合、漢字の意味や読み方と関連性がない、いわゆる「キラキラネーム」と呼ばれるような名前は法律で認められない可能性がある。

 2000年に入ったころから、初見では読めない名前や、普段あまり使わない漢字を当てた名前の子どもが増えた。こうした名前が増えた背景には、少なからず漫画・アニメキャラの影響もあったのではないだろうか。フィクションの世界では変わった名前のキャラクターは当たり前のように登場するが、キャラの名前には、その世界観や物語の背景、クリエイターの遊び心が凝縮されている。

 今回は、初見では読めないような“難読”の名前を持つ漫画・アニメキャラを振り返ってみたい。

■かわいさ、かっこよさの詰まったキャラのネーミング

 まずは『ひぐらしのなく頃に』で知られる竜騎士07氏による『うみねこのなく頃に』シリーズの主人公は「右代宮 戦人」という名前だ。これは「うしろみや ばとら」と読む。

 同作は、遺産を巡る争いを軸とした連作式のミステリー作品である。「戦う」と「バトル」をかけた名前はインパクトが大きくて忘れられない。この作品シリーズの登場人物は皆、名付け人が西洋かぶれだったために英語読みの名前に漢字が当てられる形をとっており、血縁者の名前は蔵臼(クラウス)、朱志香(ジェシカ)、留弗夫(ルドルフ)、縁寿(エンジェ)となっている。作中では戦人が自分の名前を気にする描写があるが、彼が決して珍しいわけではなかった。

 また、2011年にフジテレビ系列のノイタミナ枠にてアニメ放送された『ギルティクラウン』に登場するヒロインの一人「校条 祭」は、苗字も読みづらければ名前も読みづらいキャラクターだ。「めんじょう はれ」と読み、作中で名言こそされていないが、おそらく名前の由来は民俗学における「ハレ」と「ケ」だろう。

 「ハレ」とは特別な祭りや行事などの非日常をさしており、「ケ」とは普段の生活などの日常をさす言葉。彼女の名前の名付け親は副シリーズ構成の大河内一楼氏だそうだが、他のスタッフからは「読めない」とツッコミを入れられていることが雑誌のインタビューで明かされていた。

 一方、多くのキャラクターが登場する作品では、一人一人に個性的な名前が与えられるケースが多い。

 『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載中の原作:中村力斗氏、作画:野澤ゆき子氏による『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の「毛樽井 亜愛子衣(けだるい あーしー)」は一度見たら忘れられないネーミングだ。

 100人の「運命の人」がいるという主人公の18人目の彼女である亜愛子衣は、名前から想像がつく通りのギャルだ。本名よりも「あー子」というあだ名で呼んでほしがっている。

 作中ではこれからもおそらく多くの「彼女」が登場するので、読者にすぐ覚えてもらうため、それぞれのキャラクターの特徴を表した名前になっているのだろう。久米田康治氏による漫画『さよなら絶望先生』でもその系譜が見られ、クラスメイトの名前が几帳面な「木津 千里(きつ ちり)」など、それぞれの個性を表すものになっていた。

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