■花道と流川が対決!? ジャンプオリジナルのドリームチーム登場
本作のゲーム内容ですが、単なるアクション仕立てのバスケゲームとは違って、たとえばシュートかパスかをコマンドで選択したり、リバウンドを取るためにボタンを連打したりと、少し変わったゲームシステムが採用されています。
サブタイトルに“四強激突”とあるように、湘北、海南、翔陽、陵南の4校による、インターハイ神奈川県予選のようすがゲーム化されているようです。ただ、試合の勝敗によっては、原作と異なる展開にもなると聞きました。……すみません、私は動作チェックでプレイした程度なんです(笑)。
ただ、このソフトには通常版とは異なる、「集英社LIMITED」バージョンならではの要素があります。
なんと、読者応募企画で結成されたオリジナルのドリームチームが2チーム登場するんです。 湘北高校バスケ部の桜木花道と流川楓は、それぞれ別のチームに編成されているようなので、対決させて遊べます。通常版には、チームをエディットする機能はありませんし、ドリームチームはオリジナルのユニフォームまで着ています。数百本の限定版だけのために、ちゃんと新データが用意されたということですね。
きっと『スラムダンク』ファンの人にすれば、まさに“夢のゲーム”なんじゃないかと思います。
■まさか偽物!? 真贋鑑定に引っかかった不審なポイントとは
これだけ高価な物となると、買い取るときには真贋鑑定を行います。実は、偽物が存在する有名レアソフトも複数確認されているんです。チェックするポイントはいろいろありますが、スーパーファミコンの場合はカートリッジを開けることができるので、中身を調べます。
開けられるといっても、特殊なネジが使われていて、専用工具が必要です。ところが、この「集英社LIMITED」は、普通にプラスドライバーで開けられるネジだったんですよ。さらに、中身の基盤自体は本物だったんですが、刺さっているROMに不審な点が見受けられたんです。「これは絶対おかしい!」って思いましたね。
ところが、結果的には本物でした。考えてみれば、たった300本の限定バージョンのために、生産ラインを動かすわけにもいきません。きっと、ひとつひとつ手作業で専用ROMに差し替えたんでしょうね。怪しんですみませんでした(笑)。
※ソフトの値段や状態などは2025年4月のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。