『ジークアクス』ではどうなる? 超常現象まで引き起こす“謎多き超技術”…ガンダム作品を彩る「サイコミュ」とは何かの画像
DVD「機動戦士ガンダム 10」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 『ガンダム』シリーズには、高度な技術によって生み出された、さまざまな兵器やシステムが登場する。そのなかには、ニュータイプ専用機などに用いられる技術として「サイコミュ」というものがある。最近ではテレビアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』に「オメガ・サイコミュ」という新技術が描かれ、注目を集めた。

 この「サイコミュ」とはいったい何なのか。スラスラと説明できる人はかなりのガンダムマニアかもしれない。

 『総解説 ガンダム辞典』(講談社)によれば、ニュータイプに該当する人は特殊な感応波(サイコ・ウェーブ)を発するという。ニュータイプの感応波はミノフスキー粒子を振動させる性質があり、周囲に意思などを伝達する特性を持つ。

 そしてサイコミュは、このニュータイプ特有の感応波を増幅させ、機械に伝達する役割を担う制御システムのこと。つまりサイコミュにより、ニュータイプパイロットの思考を機体に伝えることができるのだ。

 このサイコミュをうまく活用すれば、ニュータイプの能力をより効果的に実戦で発揮させることが可能。そのため、さまざまなサイコミュ技術が開発されてきた。今回はそのようなサイコミュ関連の技術のなかでも、とくに不思議な現象を引き起こしてきた驚異の技術を振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■簡易サイコミュが謎の超常現象の要因?

 サイコミュを用いて遠隔操作する兵器は戦況を一変させる力を持つが、操作するパイロットにも重い負担を強いる。そこでファンネルなどの火器を制御するのではなく、機体制御を補助する目的で開発された“簡易サイコミュ”ともいえる技術が「バイオセンサー」である。

 ZガンダムやZZガンダムなどの機体に搭載されたバイオセンサーは、複雑な操縦をアシストする目的でつけられたもの。しかしそのバイオセンサーは、ときに開発者が想定しなかった不思議な現象を引き起こすことになる。

 カミーユが搭乗したZガンダムは、パイロット自身の桁外れのニュータイプ能力もあってか、ビーム兵器が時折本来の仕様からは考えられないような威力になったり、機体の周囲にサイコ・フィールドを発生させたりと、まさに超常現象のような事象を起こしている。

■もはや魔法のような夢の構造材

 そして『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で初登場したのが、「サイコ・フレーム」という革新的な技術だ。この技術はネオ・ジオンのシャア・アズナブルによって開発された(作品によってはシャアの部下であるナナイ・ミゲルが開発)。

 これは超小型のサイコミュ素子を鋳込んだ物質を、モビルスーツの構造材に用いるというもの。そのことで機体の駆動部にパイロットの意思を伝達しやすくなり、機体レスポンスを向上させるという。

 また同技術の存在はサイコミュの小型化をもたらし、それまで大型MAに搭載が限られていたサイコミュ兵器をMSにも搭載しやすくした。

 しかしサイコ・フレームは、その構造材単体でも不思議な力を発揮する場面が見られた。ロンド・ベルのチェーン・アギがサイコ・フレームの試料を腰につけていた際、神がかった機銃斉射によってレズン・シュナイダーが乗るギラ・ドーガを撃墜したり、彼女が搭乗するリ・ガズィがα・アジールのビームを弾いたりと、本来は考えられないような不可解な現象を次々起こした。

 このほかにも、「サイコフレーム同士の共鳴&共振現象を起こす」「謎の発光現象が見られる」など、サイコ・フレームは得体のしれない現象を引き起こすことでも知られる。

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