■アムロの母親がまるで別人!!
ご存知の通り、アニメ『機動戦士ガンダム』では、アムロの父親テム・レイがガンダムの設計に携わっていた。母親のカマリア・レイは技術士官である夫の特権によって地球で過ごしており、第13話にてアムロと再会する。
このエピソードでカマリアは、ジオン兵に容赦なく発砲したアムロを叱責。それが原因で親子は断絶状態になってしまうという、哀しき結末が描かれている。
しかし、「ガンダムG40」のスペシャルムービーでは、なんとこのカマリアがガンダムG40の開発者であることが示唆されているのだ。しかも息子がガンダムに乗るよう仕向けるという展開もあり、まるで『新世紀エヴァンゲリオン』的な展開となっていた。
カマリアは容姿も性格も、本家とはまったくの別人だ。ドレスを着て髪をアップにした姿は「貴婦人」という言葉がぴったり。不敵な表情でガンダムを見つめるようすからは、どこか邪悪な雰囲気すら感じられた。アムロはそんな彼女を前にして思わず逃げ出してしまい、ガンダムに追われる羽目になる……。
「アムロ、アムロ、アムロ……」と息子をいざなうカマリアの声は不気味で、アムロも警戒心たっぷりの表情を浮かべている。「まさか……カマリアが設計者に!?」と、往年のファンであれば驚きと動揺を隠せなくなるとんでもないIFストーリーだった。
『機動戦士ガンダム』は、いまだにファンを惹きつけてやまない。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』や「ガンダムG40」スペシャルムービーのストーリーのようなIFストーリーが展開されるのも、世界観の器の大きさがあってこそだろう。
「ガンダムG40」スペシャルムービーでカマリアに新たな設定を与えたことは、実に挑戦的だった。この作品を見ると、「カマリアってほんとはどんな人だったっけ?」と、『機動戦士ガンダム』をあらためて見返したくなってしまう。