
4月に放送開始して以来、大きな話題となっている『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。本作の舞台はジオン軍が戦勝国となった世界で、その衝撃のIF設定も見どころのひとつだ。
しかし実は、『ガンダム』シリーズのIF世界を描いた作品は本作だけではない。ガンダムファンを困惑させた「ガンダムG40」のスペシャルムービーは、IF設定やまさかの展開のオンパレードだった。
※本記事には作品の内容を含みます
■数々の名シーンが新たな解釈で描かれる
2020年、『機動戦士ガンダム』の40周年を記念した「ガンダム×KEN OKUYAMA DESIGN×LDH JAPAN ”G40プロジェクト”」が始動した。本企画の目玉は、工業的にデザインされたモビルスーツ「ガンダムG40」。世界的工業デザイナーのデザインスタジオ「KEN OKUYAMA DESIGN」が、プロダクトとして本気で“検証”して製作した新たなガンダムである。
さらに、この「ガンダムG40」を主軸にしたスペシャルムービーも公開された。ここでは『機動戦士ガンダム』が新解釈によって作り変えられており、最新の映像技術で数々の名シーンが描かれている。
アムロの初陣となるザクとの戦い、シャアとの熱戦、ジオン軍との最終決戦まで名場面が次々と出てきて、胸が熱くなった。どのシーンも構図や演出などが変更されていて、よく知る場面でも新鮮な気持ちで楽しめる。
しかし、このスペシャルムービーの「新解釈」は、それだけにはとどまらない。スペースコロニーやガンダム設計者まで新たな解釈で描かれており、その斬新さには多くのファンが驚かされることになった。
■ドーナツ型のスペースコロニー!?
まず映像が始まってすぐに驚くのは、スペースコロニーの形である。ドーナツ型になっていて、『機動戦士ガンダム』の巨大な筒状のスペースコロニーとはまったく違う。
このドーナツのような形のスペースコロニーは、『機動戦士ガンダムUC』に登場する「ラプラス」と似たようなテクノロジーだと考えられ、現代の宇宙工学では「トーラス型」と呼ばれる。遠心力によって人工重力を生み出す効果があるとされる、SFではおなじみの存在だ。
スペシャルムービーは、ザクがこのスペースコロニーに侵入してくるところから始まる。このシーンも、『機動戦士ガンダム』を踏まえつつアングルやモーション、場面描写などに新たな要素が加えられ、まるで別物として生まれ変わっていた。中でもザクが電車とすれ違うシーンなどは斬新で、なめらかな動きには映像技術の進化が感じられる。