■最速ライダーの筆頭格?仮面ライダーカブト クロックアップ
ただ、それをも凌駕するのが平成仮面ライダー第7作『仮面ライダーカブト』だ。「最強の仮面ライダー」をコンセプトとした作品であり、それを象徴するものとして超高速移動=クロップアップがある。光速を超えるとされる超エネルギー「タキオン粒子」を解放することで、常人では感知不可能なほどの超高速移動を可能とする能力である。
第2話のナレーションでは「人間をはるかに超えるスピードで活動することができる」と説明されているが、他にも時間流を自在に活動できる、人間の目で見えないほどの超高速で移動できるなどの説明もある。
速さを計るライダーごとのスペックにおいては、ライダーフォームの100メートルの走力は5.8秒と、通常時間時のデータはある。しかし、クロックアップ使用時のスピードについて数字で明確に説明されたことはない。
作中での描写を見てみると、クロックアップ中は周りの動きはもちろん、音声なども高速の世界に合わせて引き延ばされている。単なる高速移動というより、もはや別の時間軸を移動しているとすらいえるかもしれない。
また仮面ライダーカブトがクロックアップを使用した際、落下する人の速度が非常にゆっくりになったり、走行する自動車が完全停止したり、雨粒が空中で止まったりといった描写もある。
最速ライダーの筆頭格ともいえるカブトのクロックアップだが、能力の特殊性もあって数値化するのは難しそうだ。
■クロックアップと拮抗する速さ?仮面ライダーファイズ アクセルフォーム
そして、そんな規格外ともいえるカブトに迫る存在といえば、平成仮面ライダー第4作『仮面ライダー555(ファイズ)』とそのスピード系能力・アクセルフォームだろう。装甲の展開やフォトンストリームの赤から銀への色の変化といった、見た目の変化もかなりある中間フォームだ。
ファイズアクセルのスイッチを押すと、10秒間限定で装着者の機動力を1000倍に加速させる「アクセルモード」へ突入。制限時間内は超高速行動を活かして必殺のクリムゾンスマッシュを複数回叩き込むなど、スピードを最大限に活用した戦法が可能となる。
仮面ライダーファイズの基本フォームは100メートルを5.8秒という走力であるため、その1000倍の速さとなる「アクセルモード」では100メートルを0.0058秒、時速にして6万2千キロメートル=マッハ51という次元の違うスピードになる。
では、ファイズとカブトはどちらが速いのか。能力を直接比較しないかぎり、なかなか困難ではあるが、実は『仮面ライダーディケイド』にて、クロックアップとアクセルフォームの速度対決が実現している。クロックアップした仮面ライダーザビーを相手に、仮面ライダーディケイドがアクセルフォームに変身し、互角に渡り合う姿が描かれたのだ。
ディケイド時のクロックアップに限られるが、アクセルフォームと拮抗した描写を見ると、クロックアップもアクセルフォームと同等のスピードとして数字にできると思われるかもしれない。しかし、時間流を操作するという設定上、厳密に同等と判断できるかは難しい部分がある。
とはいえ作品を超えた対決が実現したことで、すくなくともアクセルフォームもクロックアップに匹敵するレベルのスピードで動けるといえるのではないだろうか。
必殺技の威力や特殊能力のチート度合いなどが引き合いに出されることの多い仮面ライダーだが、常識をはるかに超える超スピードを発揮するライダーも少なくない。あなたの思う「最速のスピード系ライダー」はいったい誰だろうか?