
2025年4月8日、スクウェア・エニックス海外公式Xアカウントが発信した「ボクの記憶を空へあずけに行くよ……」という一文が、瞬く間にファンの間で大きな話題を呼んだ。
これは2000年に発売されたプレイステーション用タイトル『ファイナルファンタジーIX』に登場するビビ・オルニティアのセリフで、Xでは瞬く間に関連ワードがトレンド入り。3月末には同作の発売25周年を記念した特設サイトが開設されていることから、ファンの間ではこれまで実現していなかった「FF9のリメイク」が近々発表されるのではないかと盛り上がりを見せている。
『FF9』のリメイクが行われるかどうかはさておき、『FF』シリーズにおけるリメイク作品では、単なる移植やグラフィック向上だけにとどまらず、新たなダンジョンやボスの追加といった大型のアップデートが施されることも多い。その中でもプレイヤーを楽しませてくれたのが、本編のラスボスすら凌駕する極悪すぎるほどの強さを誇る「追加ボス」たちの存在だ。
今回は、リメイクで登場した強敵たちの中から、特にプレイヤーの記憶に強烈な爪痕を残した「極悪最強ボス」たちを振り返る。
※本記事には作品の内容を含みます
■DS版『FF3』の「鉄巨人」
『ファイナルファンタジーIII』は、1990年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたシリーズ第3作。ジョブチェンジシステムの原型が採用されており、のちのシリーズに大きな影響を与えたタイトルだ。
2006年にはニンテンドーDSでフル3D化されたリメイク版が登場。オリジナルでは無個性だった4人の主人公に名前と個性が与えられ、シナリオや演出面でも大幅な強化が施された。
そんなリメイク版で最大の注目ポイントが、追加ダンジョン「???(名称不明)」の最深部に現れる隠しボス「鉄巨人」である。
「鉄巨人」のHPは驚異の約20万と、巨人の名にふさわしいスタミナを誇る。高火力、連続行動、全体攻撃を兼ね備え、「メテオ」や「なぎはらい」といった強力な技を次々と繰り出してくる。その圧倒的な強さは、ラスボスが可愛く見えてしまうほど。
対策としては、バイキングの「ちょうはつ」で攻撃を引きつけつつ、「プロテス」や「ヘイスト」で体勢を整えてから、攻撃に移るとよい。……とはいっても、育成を極めたとしてもなお一筋縄ではいかない難敵。初見での撃破はほぼ不可能と言っても過言ではない、まさにリメイクならではの“裏のラスボス”だ。
■GBA版『FF5』の「神竜改」「オメガ改」「エヌオー」
1992年発売のスーパーファミコン用タイトル『ファイナルファンタジーV』は、ジョブとアビリティの自由な組み合わせが魅力の作品。2006年にゲームボーイアドバンスでリメイク版が発売されており、新たなジョブや裏ダンジョン「封印の神殿」が追加された。
封印の神殿に入るには、スーファミ版で「謎のモアイ像」として都市伝説的に語られていたオブジェクトが乗り物になっており、ファンの記憶を刺激する演出となっている。そして、そこで待ち受けるのが、「神竜改」「オメガ改」「エヌオー」という極悪トリオだ。
「神竜改」は、定期的に無敵状態に移行する厄介な仕様を持ち、ファイナルアタックで「メテオ」や「ギガフレア」といった凶悪技を連発してくる。HPが減ると、魔法封じの「ミュート」も絡め、長期戦になればなるほど苦しい展開になる。
「オメガ」は、もともとは雷属性が弱点だったが、リメイク版「オメガ改」は弱点属性を突くと即座に「バリアチェンジ」を行う仕様になっている。行動パターンはオリジナルとほぼ同じであるものの、対処にはより柔軟な戦術が求められる。ただし、「愛の歌」などで行動を封じる戦法は、元祖と同じく引き続き有効だ。
そして最後に登場するのが、「エヌオー」。原作では名前のみの登場だったが、GBA版で初めてその姿を現した。かつてエクスデスの前に「無」の力を得て世界を支配しようとしたとされる邪悪な魔道士である。
戦闘ではダミーターゲットを伴い、二段階の変身を行う。攻撃面では、「グランドクロス」「ギガフレア」といった凶悪な全体攻撃を放ってくる。
だが、『FF5』は、ジョブやアビリティの工夫次第で攻略が可能。シビアなバトルの中に、「自分だけの勝ち筋」を見つけ出す面白さが詰まっている。