■ボールが車に変形!? 小学生のひらめきが生んだ「RCシュート」

 最後に紹介するのは、もはやサッカーをしているのかも怪しいトンデモ技「RCシュート」だ。

 まずボールを蹴り上げると、空中でなんと4つに分裂。それぞれがタイヤとなり、どこからともなく出現した車体と合体し、ラジコンカーへと変形する。そしてリモコンでその「ボールカー」を操作し、ディフェンダーを華麗にかわしてゴールを狙うという前代未聞のシュート技である。

 この衝撃の技がアニメで登場するのは、第101話「激突!虎と鷹!!」。披露したのは、日本代表・イナズマジャパンにただ一人選ばれた小学生FW・宇都宮虎丸である。

 幼い頃に母から買ってもらったラジコンカーの思い出をヒントに、とっさのひらめきで編み出したこの技は、練習試合で炸裂。ラジコン操作で次々と先輩たちを抜き去り、見事にゴールを奪ってみせた。

 「どういう原理で車に変形した?」「リモコンはどこに隠し持っていた?」「そもそもこれはサッカーなのか?」と、ツッコミどころ満載なのだが、「RCシュート」は小学生の虎丸だからこそ思いついた自由すぎる必殺シュートだといえるだろう。

 

 『イナズマイレブン』の必殺技には、今回紹介したような「ルールとは何か」「物理法則はどこへ行ったのか」と、突っ込みたくなるような迷技も多い。しかし、そんな自由すぎる発想こそがシリーズの個性であり、多くのファンを惹きつけてきたのだ。

 新作ゲーム『英雄たちのヴィクトリーロード』でも、きっと驚きの新技が登場するはずである。今度はどんな“超次元サッカー”を見せてくれるのか、我々ファンの期待は高まるばかりだ。

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