■優しいシングルファザー姿にほっこり:相葉雅紀主演『マイガール』

 “究極の一杯”を作る天才バーテンダーを演じた『バーテンダー』(原作:城アラキさん、漫画:長友健篩さん)や、平凡なサラリーマンがヒットマン(殺し屋)になる『今日からヒットマン』(原作:むとうひろしさん)など、個性的な実写化作品に多く出演している相葉雅紀さん。

 特に印象深い実写化作品といえば、彼の初主演作品となったドラマ『マイガール』(原作:佐原ミズさん)だろう。本作で相場さんは主人公・笠間正宗を演じ、亡くなった恋人との間にいた娘を育てるシングルファーザーの役を務めた。

 正宗は突然現れた娘・コハル(石井萌々果さん)に戸惑いながらも、持ち前の優しさと明るさで前向きに子育てに取り組んでいく。普段の相葉さんのキャラクターにも、非常にマッチしている役柄だったように思う。

 当時20代だったことから父親役としては若干若い印象もあったが、自然体の演技はほかのキャストからも好評で、初主演作品にしてその存在感を強く印象付けていた。

■俺様キャラのプリンスを完璧に演じた大人気作:松本潤主演『花より男子』

 最後は、嵐の中でも多くの実写化作品で主役を務めてきた松本潤さん。『金田一少年の事件簿』(原作:天樹征丸さん・金成陽三郎さん、作画:さとうふみやさん)や『ごくせん』(原作:森本梢子さん)、『きみはペット』(小川彌生さん)など、話題の作品に多数出演してきた。

 そんな松本さんのアタリ役と言えば、やはり2005年の大ヒットドラマ『花より男子』(原作:神尾葉子さん)の道明寺司役ではないだろうか。

 本作は超セレブ学園を舞台に、一般庶民の牧野つくし(井上真央さん)と、御曹司グループ“F4”のリーダー・道明寺との恋愛模様を描いた作品だ。

 傲慢で俺様気質な道明寺を松本さんがどう演じるかが注目されていたが、ツンデレな性格や不器用ながらもつくしへの愛情をストレートに表現する場面など、松本さんは原作のキャラクターイメージを崩さず見事に演じ切っていた。また、彼のくっきりとした目鼻立ち、パーマをかけたビジュアルが非常に似ていたのも印象深い。

 「最も多く発行された単一作者による少女コミックシリーズ」としてギネス記録を持つほど人気を誇る本作は、ドラマ版も絶大な支持を得て、その後、続編や映画も制作された。この人気の理由は、原作に勝るとも劣らない松本さんの“俺様キャラ”に、多くの人が心を奪われたこともあっただろう。

 

 嵐のメンバーが演じた漫画実写化ドラマは、それぞれの個性を最大限に活かし、原作の世界観をさらに魅力的なものにしてきた。嵐は来年に活動終了予定であるが、これからもメンバーそれぞれが多くの実写化作品に登場してくれることを期待したい。

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