■ベルモットが「あの方」に気に入られている理由は?
隠密行動が基本の組織の中で、コナンの前にやたらと現れるのがベルモットだ。しかも彼女は組織の幹部でありながら、なぜか組織を潰そうとしているような素振りも見せる。コナンを守ろうとするのも、彼に「銀の弾丸(シルバー・ブレット)」としての役割を期待しているからだ。
しかしその一方で、組織のボス・烏丸蓮耶とは良好な関係にある。ボスから「どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰ってきておくれ ベルモット。」というメールが届いたときには、ベルモットは「OK… ボス…」と呟きながら返信している。
さらに、バーボンこと安室透が「組織のメンバーが知ったら驚くでしょうね…」「まさかあなたがボスの…」と発言し、ベルモットが銃口を突き付け、それ以上の言及を遮る場面もあった。
こうした描写から、組織のボスとベルモットは深い関係、つまり家族関係や愛人関係にある可能性が示唆される。安室によれば、ベルモットの秘密が組織にリークされるとかなりの大事になるらしい。とすると、烏丸ほどの大富豪なら愛人なんてどれだけいてもおかしくはないし、家族関係の線が濃厚そうだ。
ボスは冷酷なジンでさえ「あの方」と敬意を込めて呼ぶほどの影響力を持っている。もしベルモットがボスの娘で、組織内ではすでに死亡していることになっているなら、確かに安室の言う通りメンバーは驚くかもしれない。
黒ずくめの組織にはまだ多くの謎が残っている。灰原が研究していた薬の正体や、赤井秀一が宮野明美(志保の姉)から受け取ったメールの「P.S.」以降の内容なども、その1つである。
それらをあれこれ考察するのも本作の楽しいところだろう。組織の情報が次第に明かされていく中、今後の伏線回収に期待が高まる。