■『金・銀』ではいぶし銀のサポーターだったが…ハッサム

 『金・銀』から登場したはさみポケモンのハッサムは、弱くはないが初心者には扱いづらいポケモンだった。

 攻撃力は高いのに、覚える技が弱いせいでアタッカーとしては欠点だらけ。一方、能力変化を残したまま控えのポケモンと入れ替わる「バトンタッチ」を活かしたサポートは光るものがあり、サポーターをうまく使いこなせる上級者からは重宝されていた。

 ハッサムに転機が訪れたのは、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』でのことだ。低威力の技を強化する特性「テクニシャン」を習得したハッサムは、本来の攻撃力を活かしたアタッカーとして一気に使いやすくなる。

 『SV』でも主にアタッカーとして使われ、先制攻撃の「バレットパンチ」、相手のすばやさを下げる「とびつく」などの技を、道具の「こだわりハチマキ」で威力を底上げする戦法が流行した。

 また、攻撃しながら手持ちと交代する「とんぼがえり」を駆使したトリッキーな戦いもでき、単なるアタッカーとはひと味違う立ち回りができるのも魅力だ。

 筆者は子どもの頃、『金・銀』でのハッサムのアタッカー性能の低さに「こんなに攻撃力が高いのに……」と、ガッカリした覚えがある。そのハッサムが今では、あの日夢見たアタッカーとして大活躍しているとは、なんとも感慨深い。

 

 『金・銀』に登場した四天王カリンのセリフ「つよい  ポケモン  よわい  ポケモン  そんなの

 ひとの  かって」はあまりにも有名だ。

 しかし本音を言えば、好きなポケモンが強いほうがやっぱり嬉しい。今回紹介したカイリューやメタモンのように、時代を超えてその願いが叶ったりするのも『ポケモン』シリーズの面白さといえるだろう。

 あなたが子どもの頃に好きだったあのポケモンも、将来は最強の座を得ることになるかもしれない。

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