◼︎「青い彼岸花」とは何だったのか

 無惨が太陽を克服するために1000年以上探していた青い彼岸花について、結局その存在や生えている場所が明かされることはなかった。

 謎に包まれた存在だが、原作漫画の最終話では伊之助の子孫が研究し、1年に2〜3日、昼間だけ花を咲かせるという生態が明かされた。しかしその後、幸か不幸か管理ミスにより絶滅させてしまっていることから、これは今後、もう鬼が生まれないことが示唆されている。

 また『公式ファンブック2』では炭治郎の母・葵枝が青い彼岸花の咲く場所を知っていたことが明かされており、幼い炭治郎も兄妹の中で唯一見たことがあるという。その場所とは、縁壱の妻・うたが埋葬された場所とのこと。炭治郎の先祖はかつて縁壱が住んでいた家に住んでいたため、炭治郎の家のごく近くに咲いていたのかもしれない。

 どのみち日中にしか咲かない花なら、無惨は自らの足で探し回っても青い彼岸花にたどり着くことはできなかったというわけだ。

 これらの伏線はSNSなどで長年考察されているが、確証のある答えは出ていない。物語が完結してしまっている以上、ここから新たな設定が明かされる可能性は低いが、劇場版「無限城編」での描き下ろしパートに期待し、意外な繋がりを想像しながら『鬼滅』を楽しむのもまた一興だろう。

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