■「岸辺露伴」という人物への印象

ーー岸辺露伴という人物についてどう感じましたか?

玉城 まず思ったのが、高橋一生さんは岸辺露伴に本当にぴったりだな、ということでした。役への解釈もすごいなと思いましたね。映画版は、これまで出演されたみなさんが、原作を壊さずに実写化することを目指す中で、どうすればさらに広げられるか、ということをチーム全体で考えてきた作品だと思います。だから、そこに自分が入ったときにどんなふうにプラスになれるのかな? と考えていました。

ーー高橋一生さんの岸辺露伴像は、たしかにぴったりハマっていますよね。

玉城 岸辺露伴というキャラクターが真ん中にはいますが、1話ごとに中心となるキャラクターが変わるし、それに伴って露伴のスタンスも毎回ちょっと変化しますよね。そういうところが難しいだろうなと思いましたが、実写版ではそれを受け入れる高橋さんの器や監督の「広げる力」みたいなものをすごく感じます。

ーーいろいろな思考を巡らせながら原作を読んだのですね。今作は、ある男の絶望が呪いのように娘をがんじがらめにし、そこへ岸辺露伴がどのように介入していくのかという、先の読めない物語ですが、脚本を読んだときはどんなことを感じましたか?

玉城 父親にかけられた呪いを娘が受け継ぐという、家族の切っても切れない縁のようなものを強く感じました。原作は『懺悔室』ですが、「原作をこんなふうに広げて、脚本に落とし込んでいくんだな」という驚きとわくわく感がありましたね。特に私が演じるマリアはプラスで膨らませたシーンが多かったのですが、原作を壊さずおもしろくできたんじゃないかなと思っています。

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