歴代『ドラゴンクエスト』最強の「主人公」は誰?大器晩成パワー型に名門エリート息子も…様々な角度から考察!の画像
PlayStation2版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(スクウェア・エニックス)

 歴代作品の総売上本数が、世界中で8500万本を超えている大人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズ(スクウェア・エニックス)。スピンオフを含めると多数の作品があるが、「ナンバリングタイトル」と呼ばれる正統な本編は、現時点では『11』までがリリースされている。

 各作品の「主人公」たちは、基本的にゲーム内でしゃべることはなく(一部例外あり)、プレイヤー自身がゲームの主人公であるかのように感じさせてくれる。これがシリーズの大きな特徴であり、主人公に自分自身を投影することで、ストーリーに没入することができた。

 また、各作品の主人公は個性も際立っており、それぞれが違うバックボーンと異なる能力を持っている。そして冒険の中で成長を重ね、頼もしき勇者としてラスボスと対峙するまでになるわけだ。

 今回は、そんな歴代ナンバリングタイトルの主人公たちにスポットをあてて、「誰が最強だったのか」をさまざまな側面から分析してみたい。

※本記事には『ドラクエ5』『ドラクエ7』『ドラクエ8』の核心部分の内容を含みます。

■ひ弱そうに見えて、実はポテンシャル「No.1」

 まず『ドラゴンクエスト7』の主人公は、パッと見た印象では歴代主人公の中でもとくに、幼い少年のように見える。よくいえば純朴な少年風のルックスだが、頼りない主人公に見えた人もいるかもしれない。

 しかし『ドラクエ7』の主人公は、実は「人は見かけによらない」を体現したキャラで、歴代主人公のなかでも最強クラスの高いステータスに成長する。最大レベルとなる「99」まで達した際は、力が400、HPは990と、歴代主人公のなかでも圧倒的な数値に達するのだ。

 シリーズが進むごとにキャラクターの能力はインフレしつつあるが、現時点での最新作『ドラクエ11』の主人公のレベル99時の能力値は、力が380、HPは750ほどである。発売時期を考えると、いかに『ドラクエ7』の主人公の能力値が突出しているかが分かるだろう。

 ちなみに見た目もパワフルな『ドラクエ6』の「ハッサン」でもレベル99時の最終ステータスは力が400、HPは900である。彼と比較するだけでも、『ドラクエ7』の主人公が見かけによらない圧倒的なパワーを秘めていることが分かる。

 しかも『ドラクエ7』の主人公はフィジカルの強さだけでなく、呪文の使い手としても超一流。MPは700まで育ち、『ドラクエ7』の転職システムとの相性も抜群で、強力な呪文や特技をどんどん使っていける。

 とはいえ「そんなに強かったかな?」と思うプレイヤーもいるはず。実は『ドラクエ7』の主人公は、ゲームクリアの適正レベルであるレベル40付近では、そこまで飛び抜けたステータスにはならないのだ。

 レベルが高くなるにつれて強くなる大器晩成型の主人公であり、秘めたる力を引き出すにはそれなりの努力と時間が必要になる。

 さらに『ドラクエ7』の主人公は成し遂げた功績も素晴らしく、ひとつの島を残して残りを魔王に侵略された絶望的な状況から世界を救い、最終的には「神様」すら倒すことになる。

 最終能力値に加え、主人公として挙げた実績まで加味すると、シリーズ最強主人公にふさわしい存在といえそうだ。

■波乱万丈すぎる過酷な人生

 一方、『ドラゴンクエスト5』の主人公は、プレイした人なら誰もが納得するほど、波乱に満ちた人生を送ることになる。

 幼少期には目の前で父親を殺され、自分の無力さを痛感。さらに、しばらく奴隷として強制労働を強いられるのである。

 その後、父の想いを継いで勇者を探す冒険のなかで結婚。子宝に恵まれるも魔物に妻をさらわれ、夫婦で石化させられてしまう。

 石像の状態で8年間もすごしたあと、たくましく育った実子たちに助けられ、勇者の力を持つ我が子と力を合わせて妻を救出。さらには世界を救う旅に出かけることになる。

 しかし冒険の最終局面では、ずっと探して続けてきた母親まで殺されてしまう。『ドラクエ5』の主人公は、父と母の両方を目の前で失うという悲劇を味わうのである。

 普通の人間であれば心が折れそうな状況に何度も置かれながら、そのたびに立ち上がり、最終的には魔王まで倒して世界に平和を取り戻した『ドラクエ5』主人公。主人公本人は勇者ではなかったが、どんな勇者よりも精神的に強く、頼もしい存在に感じられた。まさに「メンタル最強」である。

 『ドラクエ11』の海底王国の女王セレンは「勇者とは最後まで決して諦めない者のこと」と語ったが、まさに『ドラクエ5』の主人公に当てはまりそうな言葉である。

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