分岐点はどこに…?『ジークアクス』第5話、なぜルウムの英雄「黒い三連星」は落ちぶれていたのかの画像
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』公式X(@G_GQuuuuuuX)のポストより

 2025年4月8日から放送開始となったガンダムシリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)。その第5話「ニャアンはキラキラを知らない」が5月6日に放送された。

 この回では、主人公「アマテ・ユズリハ」通称“マチュ”の知人「ニャアン」がジークアクスに搭乗。元ジオン軍のエースパイロット小隊「黒い三連星」のメンバーだった「ガイア」「オルテガ」とのクランバトルの様子が描かれた。

 ガイアやオルテガのようなジオンを代表する元エースパイロットが、なぜ違法なクランバトルに参加することになったのか、そのあたりの背景を掘り下げてみたい。

※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第5話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

■『ジークアクス』における「黒い三連星」の明暗

 黒い三連星といえば、初代『機動戦士ガンダム』では「一年戦争」における序盤の大きな戦い「ルウム戦役」にて、地球連邦軍の旗艦「アナンケ」の撃沈に貢献。「レビル将軍」を捕虜にするという偉大な功績をあげた英雄である。

 このあたりの流れは『ジークアクス』の世界でも変わっていないはずであり、軍にいればそれなりのポジションに就いていたとしても不思議ではない。

 しかし第5話の冒頭、元「黒い三連星」のメンバーであるガイアとオルテガは、軍を追放されてジャンク屋をしていることが判明する。そして、もうひとりのメンバー「マッシュ」は現在市長になっており、美人秘書との不倫がスクープされるという衝撃の事実が明かされた。

 そのニュース記事には「黒い三連星として名を馳せた一年戦争の英雄」と書かれており、彼らの名は『ジークアクス』の世界でも知られていることが分かる。おそらくマッシュは、その名声を利用して市長選に勝利したものと思われる。

 ガイアは、市長になったマッシュについて「マ・クベの野郎に追い出される前に辞めたアイツは利口だよ」とボヤいていた。つまりガイアとオルテガは軍に残ったせいでマ・クベに軍を追われ、違法なクランバトルで日銭を稼ぐはめになり、その前に離脱したマッシュだけが社会的に成功したことになる。

 さらにガイアたちは機体のメンテナンスや弾薬には金がかかりすぎることを嘆き、クランバトルで名を挙げて傭兵会社への転身を目指しているようだった。

 ジオンの元エースパイロットであり、「ルウムの英雄」が再び名前を売らないと好条件の職に就けない事情は明確にされていないが、厄介払いをしたいマ・クベにより何らかの策略にハメられた可能性は否定できない。

■初代ガンダムでの「黒い三連星」と「マ・クベ」の関係

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』での黒い三連星は、ジオン軍のトップの一角「キシリア・ザビ」直属の特務小隊であり、マ・クベのもとへ援軍として参戦した。つまり三連星にとってマ・クベは現場の上官ではあったが、あくまで一時的な関係だった。

 そしてアムロ・レイが乗るガンダムと激突し、得意の「ジェット・ストリーム・アタック」をしかけたが、そのときにマッシュ機を撃破されている。

 その後、仲間の死を悼むガイアとオルテガを見たマ・クベは、「いつまで無駄な時間を潰しておるのか」と怒りをあらわにし、双方が不満を抱いていたのは明白。仲間を重んじる黒い三連星と、合理的な思考の持ち主であるマ・クベは、互いに相容れない存在だったことが分かる。

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