■天真爛漫さが愛らしい 『重甲ビーファイター』鷹取舞

 最後に紹介するのは1995~96年放送の『重甲ビーファイター』で巴千草さんが演じた「鷹取舞」だ。

 舞は、地球科学研究所「アースアカデミア」の科学技術と昆虫族の力を融合させて生まれた戦士「ビーファイター」の一員で、メスのカブトムシ型のインセクトアーマーをまとって戦士「レッドル」に重甲(変身)する。

 実は舞は二代目「レッドル」であり、初代レッドルの羽山麗は、物語の途中でアースアカデミア南米支部に転属。第22話「ヒロイン初体験」以降、舞がレッドルの役目を担うようになった。

 初代レッドルの麗は、まじめなクールビューティといった印象だったが、舞のイメージは正反対。どこか能天気でマイペースな少女であり、二代目レッドルになったのも新兵器「パルセイバー」をたまたま拾って届けたのがきっかけだった。

 そんな舞の魅力が詰まっていたのが、第33話「正義の非行少女」の回だ。不良たちを更生させるサバイバルスクールの背後に異次元侵略集団「ジャマール」の影がちらついていたため、舞が潜入捜査を行う。

 このエピソードでは、舞の優しさや旺盛な好奇心が発揮されるだけでなく、自身を落ちこぼれだと卑下する元ヤンキーとの交流シーンも見もの。まっすぐに目を見て「どうして自分の力を信じようとしないの」と激励したり、ジャマールに傭兵として洗脳された男性に対して最後まで説得を試みる芯の強さを見せたりと、天真爛漫な舞の素晴らしさがギッシリ詰まっていた。

 

 魅力的な活発系のヒロインが数多く登場する「メタルヒーロー」シリーズ。作品にのめり込むにつれて、彼女たちの活躍シーンから目が離せなくなるのは間違いない。今あらためて見直してみると、当時は感じることのできなかった“別の魅力”に気づかされるかもしれない。

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