
1982~83年放送の『宇宙刑事ギャバン』から始まった「メタルヒーロー」シリーズは、メタリックでスタイリッシュな特撮ヒーローが活躍した作品だ。当時の時代の雰囲気が取り入れられているのも大きな特徴で、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』シリーズとはまた違った独特の世界観が魅力だった。
そんな「メタルヒーロー」シリーズには、ヒーローをサポートするヒロインも登場し、ときには自らが華麗なバトルアクションまで披露。抜群の美しさと色気を兼ね備えたヒロインたちの存在は、子どもから大人の視聴者まで魅了した。今回はそんな「メタルヒーロー」シリーズを代表するヒロインたちを振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■水着姿での戦闘シーンも? 新たなヒロイン像を確立した『宇宙刑事シャイダー』アニー
最初にピックアップするのは、1984~85年に放送された『宇宙刑事シャイダー』で森永奈緒美さんが演じていた「アニー」だ。
アニーは主人公のシャイダーと同じ宇宙刑事訓練生で、格闘技術だけでなく銃の扱いもお手のもの。変装術にも長けていて、マウント星出身の宇宙人であることからテレパシー能力も持っている。そのため、単身で捜査を行うことも珍しくなかった。
戦闘能力に長けた勇敢な女性宇宙刑事にして、どこかあどけなさも残すアニーだが、意外とやきもち焼きの一面も。第41話「直撃じゃじゃ馬娘」の回では、バード星人のビビアンが沢村大(シャイダー)とベタベタしている姿を見て、かなりイラついた姿を見せていた。
ふだんはウエスタン調のファッションに身を包み、ミニスカートをはいているのが特徴。その姿で脚を豪快に上げて蹴りを繰り出すものだから、人気が爆発するのも当然だったのかもしれない。
それだけでなく第15話「渚のマリンブルー」の回では、かなり大胆な水着姿を披露。際どい水着での戦闘シーンにドキドキさせられた視聴者も多いはずだ。
さらに第29話「百面相だよ女刑事」では得意の変装術を活かし、老婆や花嫁、藤娘などに姿を変えただけでなく、レオタード姿まで見せてくれた。
口ぐせである「アニーにおまかせ」という言葉がタイトルになった挿入歌もあるほど注目を集め、存在感を放っていたアニー。彼女の輝かしい活躍が、その後の「メタルヒーロー」シリーズのヒロイン像を確立したといっても過言ではない。
■大胆な必殺技にメロメロ!? 『時空戦士スピルバン』ダイアナ
続いては1986~87年放送の『時空戦士スピルバン』にて、澄川真琴さんが演じたヒロインの「ダイアナ」だ。
悪の組織「ワーラー帝国」に故郷のクリン星を滅ぼされ、地球に流れ着いた城洋介(スピルバン)とダイアナ。地球の真水を狙うワーラー帝国の侵略から守るために戦う。
同作品では「メタルヒーロー」シリーズで初めてヒロインも変身するようになり、ダイアナは「ダイアナレディ」となってスピルバンをサポートした。
薄いブルーを基調としたメタリックな衣装がダイアナの特徴で、上半身はベスト、そして下はもちろんミニスカートというファッション。さらに網タイツをはいており、今見てもかなり大胆な姿といえる。
オープニングで水泳を披露するくらいアクティブなダイアナを象徴する必殺技といえば、やはり「ダイアナヒッププレス」。格闘戦の最中、自身のお尻をぶつけて敵戦闘員を押しつぶそうという、いろんな意味で強烈な荒技だ。
第15話「海だ! 太陽ギラギラ ウインク ゴックン」の回では、敵のロボット戦闘員「キンクロン」に、水着姿のままヒッププレスを食らわせるシーンもあった。この大胆な技によって倒されるのであれば、キンクロンも本望だろう。
ちなみにダイアナは、敵であるはずのデスゼロウ将軍から本気のプロポーズを受けるほど魅力に満ちあふれていた。「メタルヒーロー」シリーズで忘れがたいヒロインのひとりだ。