■対戦最強・カビゴンへの切り札!?『金・銀』「くろいまなざし」×「ほろびのうた」&「みちづれ」

 『赤・緑』から大きな仕様修正が施され、ゲームとしてさらに洗練されたシリーズ第2作『ポケットモンスター 金・銀』。バトルのバランスも調整されたが、それでも極悪コンボと呼ぶべき戦法は存在した。

 そのひとつが「くろいまなざし」に「ほろびのうた」や「みちづれ」を組み合わせた、“強制相打ちコンボ”だ。「くろいまなざし」は相手のポケモンの交代を封印する技で、ケーシィやスイクンのようなすぐ逃げてしまうポケモンを捕まえる際に重宝された。

 一方、「ほろびのうた」は使用から3ターン後にお互いのポケモンを瀕死状態にする技、「みちづれ」は使ったターンに自分が倒されたら相手のHPも0にする技で、どちらも相打ちに特化している。

 『金・銀』未プレイでピンときた人は勘がいい。つまり「くろいまなざし」で相手の交代を封じて「ほろびのうた」や「みちづれ」を連発すれば、少なくとも3ターン後には相打ちに持ち込めるのだ。相手のエース級ポケモンに決めた時の気持ちよさは、筆舌に尽くしがたい!

 対人戦では、当時高すぎる耐久力で猛威を振るったカビゴンへの対策によく使われた。まともに戦っても倒せないので、相打ち覚悟で挑んだわけだ。むしろ、そこまでしないと対策できなかったカビゴンのほうが極悪な気もするが……。

■どうあがいてもパンチを喰らう!『ルビー・サファイア』「キノコのほうし」×「きあいパンチ」

 シリーズ第3作『ポケットモンスター ルビー・サファイア』で新たに実装された技に、「きあいパンチ」がある。当たれば強力なかくとうタイプの技なのだが、先に相手に攻撃を当てられると不発となるデメリットを抱えている。

 そんなハイリスク・ハイリターンな「きあいパンチ」を、ノーリスク・超ハイリターンで使えるチート技に仕立て上げたのが、「キノコのほうし」とのコンボだった。

 理屈は簡単だ。ほぼ確実に相手を眠らせる「キノコのほうし」で相手を眠らせておけば、「きあいパンチ」を妨害する術はなく、確実に決められる。相手が眠らされたポケモンを下げたとしても、新たに出てきたポケモンに「きあいパンチ」が当たる寸法だ。

 「キノコのほうし」が決まった時点で、かくとうタイプ最強クラスの「きあいパンチ」が確定する……シンプル極まりないが、だからこそ攻略が難しいコンボである。

 弱点といえば、眠り状態を回復するきのみに無力だったこと、コンボを使えるポケモンが事実上、きのこポケモン・キノガッサだけだったことだろうか。特にキノガッサといえば「キノコのほうし」からの「きあいパンチ」が定番だったため、存在自体が警戒されたものだ。

 しかし、あえて先に「きあいパンチ」を使って読みを外すなど、警戒されようが工夫次第で十分に戦えた。決まった時に強いだけでなく、「使われるかも?」と思わせた時点で有利に立てる。極悪コンボとは、そういうものなのだ。

 

 今回紹介してきたコンボは、確かに極悪だが対抗策も存在し、決して無敵ではなかった。強すぎる戦術には対策が考案され、その積み重ねが対戦の奥深さを生み出す。「これさえ使えばOK」という絶対的なコンボは存在せず、だからこそ『ポケモン』の対戦は面白いのだ。

 これは余談だが、筆者が「こうそくいどう」×「ほのおのうず」のコンボを友達に使ったら、7ターンぐらいで怒った相手にゲームボーイを投げつけられ、大喧嘩になったことがある。これから『ポケモン』で対戦する予定がある人は、使う戦術とその相手にはご注意を。

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