■『ジークアクス』でのモスク・ハンの変化

 初代ガンダムのモスク・ハンは、技術者気質だったアムロと意気投合。ガンダムの性能を向上してくれたモスク・ハンに、アムロが「救い主です」と礼を言うと、モスク・ハンは「君が生き残ったらそう言ってくれ」「今回のデータは何らかの方法で私の手元に届けてほしい」と冗談めかした返答をするなど、相性の良さがにじみ出ていた。

 しかし『ジークアクス』でシイコに対するモスク・ハンの反応をみると、ふたりはそこまで良い関係には思えず、初代ガンダムのモスク・ハンの印象とどこか違うようにも感じられた。

 たとえばモスク・ハンが特別なカスタムを施したゲルググについて、シイコが「しょせんは量産型」と評価した際、モスク・ハンは「冗談じゃない」と憤慨する姿を見せており、常に飄々としていた初代ガンダムのときのイメージとは異なる。

 『ジークアクス』でのモスク・ハンは、連邦時代にシイコと何らかの確執があったのか、それとも自身の新技術を軽く見られたことに本気で憤ったのか、今のところは分からない。

 ちなみに初代ガンダムでは、マグネットコーティングの技術は0079年の時点でガンダムに採用されているが、『ジークアクス』の世界では0085年においてもジオンが知らない新技術となっていた。このあたりのタイムラグも、モスク・ハンの印象が変わったことに関係するのだろうか。

 

 『ジークアクス』におけるモスク・ハンは、「シャア・アズナブル」によるガンダム強奪によって活躍の場を失ったキャラのひとりなのは間違いない。今後モスク・ハンが劇中でどのような役回りを担うのか、初代ガンダムのファンとしても目が離せない。

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