
2025年4月8日に放送開始されたガンダムシリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)。その第4話目が4月29日に放送された。
※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第4話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
この第4話からは先行上映された劇場版では描かれていない完全な新規ストーリーとなる。サブタイトルは「魔女の戦争」で、かつて一年戦争において100機以上のMSを撃墜した元連邦軍の撃墜王「シイコ・スガイ」が登場した。
シイコの目的は戦争時に「赤いガンダム」によって倒された相棒の敵討ち。自らの手で赤いガンダムを倒すべく、クランバトルに参戦する。
そんなシイコが乗るMS「ゲルググ」にカスタムを施したのは、元地球連邦軍所属の技術士官「モスク・ハン」。彼はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』にも登場した重要人物で、「アムロ・レイ」の乗るガンダムをパワーアップさせた博士でもある。
そのモスク・ハンの初代ガンダムでの活躍を振り返りつつ、『ジークアクス』での立ち位置や彼自身の変化について掘り下げてみたい。
■「モスク・ハン」とはどのような人物なのか
初代ガンダムにおけるモスク・ハン博士は電磁工学の新鋭と呼ばれ、自らの理論の応用である新技術「マグネット・コーティング」をガンダムに施した人物である。そのおかげで、アムロも驚くほどの性能向上をもたらした。
才谷ウメタロウ氏によるコミック『機動戦士ガンダム ピューリッツァー アムロ・レイは極光の彼方へ』(KADOKAWA)によれば、モスク・ハンは連邦軍のオーガスタ研究所に所属。「ガンダムNT-1」などの開発にも携わったと語られている。
そして『ジークアクス』に登場したモスク・ハンは、民間の警備会社ドミトリーに在籍しており、元地球連邦軍の技術士官とのこと。
シイコがクランバトルで搭乗することになったジオン軍の量産型MS「ゲルググ」をカスタムし、「ジオンも持っていない新技術を実装した」と語っていた。そのモスク・ハンの新技術のおかげで、シイコのゲルググは圧倒的な運動性能を実現した。
■天才技術者がもたらした新技術とは?
シイコの乗るゲルググが披露した通常では考えられない変則的な挙動について、シャリア・ブルは「駆動系の摩擦キャンセル技術」と分析。これは『ジークアクス』の劇中では明言されていないが、おそらく初代ガンダムでモスク・ハンが実用化させた「マグネットコーティング」と同等の技術と考えられる。
初代ガンダムのマグネットコーティングは、MSの駆動系に磁気処理を施すことで摩擦を打ち消し、機体の可動速度を向上させる技術。この特性を即座に理解したアムロは、「ということは……無限大にスピードは速くできる?」とモスク・ハンに質問していた。
モスク・ハンはそのアムロの問いに、理論的には可能だがガンダムのパワーではムリなことを伝えている。つまりマグネットコーティングとは、機体の限界性能を引き出すもの、ということだ。
アムロが乗るガンダムはマグネットコーティングの効果によって、姿勢変換に要する時間が27%も短縮されたと、書籍『機動戦士ガンダム公式百科事典』(講談社)には書かれている。