■がむしゃらな姿が魅力?『ONE PIECE』バギー
最後は尾田栄一郎さんによる『ONE PIECE』(集英社)に登場する四皇のひとり、千両道化のバギーだ。
バギーはかつてロジャー海賊団の船員だった過去を持ち、赤髪のシャンクスと同期でもある。シャンクスは実力で四皇という地位まで上りつめたが、同じく四皇となったバギーは違う。どうしてあの程度の強さのバギーが四皇になれたのか、誰もが戸惑ってしまうほどだ。
「東の海(イーストブルー)編」では、大した活躍もせずルフィにあっさり敗れてしまっていた……。しかし、「インペルダウン編」で再登場すると、そこから破竹の勢いで懸賞金を上げていき、四皇になってしまう。
その理由は、インペルダウンでの活躍とバギーの過去が大きく関係している。インペルダウンでバギーは、半ばヤケクソになりながらも囚人たちを引き連れての脱獄に一役買っていた。その際、場をうまく盛り上げたことで自分よりも懸賞金の高い囚人を見事に従わせ、崇められるまでになっていったのだ。
また、シャンクスとは昔からの付き合いなので、対等にやりあっている姿を見て、四皇に怯まないスゴい男……という風に見られてしまう。そのため、1500万ベリーだった懸賞金から一気に30億以上にまで跳ね上がった。
バギーには運の要素もあるが、がむしゃらな姿で他人を惹きつけている面もあると思う。ほとんどが自らの欲望のためかもしれないが、そこにブレがなく突き進むから、周りも「あいつはスゴいやつだ!」と思わされるのではないだろうか。
強キャラがひしめく中、バギーは弱者の希望の星のようなもので、何をするか分からないところがあるから面白い。
本当は弱いのに強キャラと間違われてしまうキャラには、共通して不思議な力が働いている。本人が望むと望まざるとにかかわらず、自然にそういう流れになっていく……。だからこその苦悩もあり、本当のことがバレるかもしれないという怖さもある。しかし、それぞれの不思議な魅力には読者も思わず惹きつけられてしまう。


