『名探偵コナン』黒ずくめの組織のボス「あの方」とは?判明している情報からその正体を考察の画像
青山剛昌『名探偵コナン』(小学館)第95巻

 2024年に連載30周年を迎えたミステリー漫画の金字塔『名探偵コナン』。主人公・江戸川コナン(工藤新一)が追う「黒ずくめの組織」のボスである「あの方」については、長らく謎に包まれていたが、その正体は原作コミックス95巻ですでに判明している。

 しかし、いまだに分かっていないことも多く、ファンの間ではさまざまな考察がされてきた。今回は、すでに判明している情報を整理しつつ「あの方」について考察していこう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

■組織のボスはどんな人物?

 「あの方」の正体が、すでに死亡しているとされている烏丸蓮耶であることは確定している。烏丸蓮耶は半世紀前に謎の死を遂げた大富豪であり、圧倒的な財力と影響力を誇る「烏丸グループ」の創設者で会長でもあった。

 彼の存在についてはじめて言及されたのは、コミックス30巻収録の「集められた名探偵! 工藤新一vs.怪盗キッド」だ。このエピソードでは、烏丸がかつて所有していた「黄昏の館」に名探偵たちが集められ、不気味で謎めいた殺人事件が発生する。

 そもそもの始まりは40年前。烏丸は母から受け継いだ黄昏の館にあるという財宝を探していた。しかし、財宝の在り処を見つけ出せなかったため、考古学者を集めて調査させる。その際、なかなか調査が進まず、いらだった烏丸は考古学者を1人ずつ殺していくという残虐性を見せた。コナンたちの前で起こった事件は、それをなぞったものだったのである。

 結果として財宝は見つからないまま烏丸は謎の死を遂げ、烏丸グループも衰退していった。……はずだったのだが、実はそうではないらしいということが、次第に明かされていく。鍵となるのは、「羽田浩司殺害事件」である。

■烏丸蓮耶は生きている?

 17年前に起こった羽田浩司殺害事件は黒ずくめの組織がかかわった事件で、天才棋士の羽田浩司のほか、彼の大ファンである資産家アマンダ・ヒューズ、そして彼女のボディガードであるレイチェル・浅香がおもな関係者である。この際、殺されてしまった羽田は「U M A S C A R A」という暗号を残している。

 これをコナンと赤井は「ASACA RUM(浅香 ラム)」と並び変え、浅香が組織のナンバー2「ラム」なのではないかと推理していた。しかし、新一の父である工藤優作との話し合いを経て、このメッセージは「CARASUMA」をしめしているという結論にたどりつく。

 優作はコナンに「この推理が正しければ お前はこの日本で最も強大な人物を 敵に回そうとしている事になる」と語っており、烏丸がまだ生存している可能性がほのめかされている。

 しかし、烏丸が本当に生きているのだとすれば、その年齢は140歳超え。普通に考えれば生きているとは思えない老体だ。そんな中、作中には「烏丸候補」とされる謎の人物が何人か登場し、ファンの間でさまざまな考察がされている。ここからはその候補について整理していこう。

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