■幼児化、謎の老人、杖を持った男…烏丸蓮耶について囁かれている噂とは?

 烏丸の見た目については現在シルエットの描写のみで、首筋あたりまで伸ばした髪と鷲鼻、肉付きの良い体格といったいくつかの特徴が判明している。全貌はわからないものの、貫禄とオーラにあふれた「大富豪」らしい雰囲気の老人といったイメージだ。

 現在も生きているとすればどんな見た目か気になるところだが、作中ではすでに怪しい人物が2人登場している。

 1人は1090話で登場した人工呼吸器のようなものを装着した老人。顔は黒塗りになっていてよく見えないが、雰囲気は烏丸に似ている。黒田兵衛捜査一課管理官と元公安の伊織無我を見て、「所詮警察なんぞ…  愚鈍な輩が群れてるだけよ…」と発言しているのもなんだか意味深だ。

 そしてもう1人が、1102話でコナンの写真が映ったスマホを忌々しげに破壊した老人である。杖を持ち、一瞬の登場シーンだけで気性の荒さがうかがい知れるほどに険しい表情をしていた。

 ただ、太いまゆ毛と豊かな口ひげ・顎ひげが特徴の彼は、鈴木園子の親戚・鈴木次郎吉にどことなく似ている。さらに、前述のコナンの写真には次郎吉の姿も写っているため、「次郎吉に恨みを抱く血縁者なのでは?」と推測する声も見られた。

 また、生きているならありえないレベルで長寿の烏丸には、コナンや灰原哀、メアリー・世良と同様、APTX4869を飲んで幼児化している可能性も指摘されている。そんな中注目を集めたのが、1126話で登場した「謎の赤ちゃん」だ。

 このエピソードでは喫茶ポアロの店員・榎本梓とコナンが拉致されるのだが、この時にベビーカーを押す老女が目撃者として登場していた。この老女はモブキャラにしては妙な存在感を放っており、体格や脚のシワの描写に不自然に思われる点もあることなどから、「何者かが変装してコナンたちを監視している」という説もささやかれている。

 さらに気になるのがその後、1128話の最後のコマで、ベビーカーの中に顔が黒塗りされた赤ちゃんが描かれていることだ。不自然なほどに真っ黒に塗りつぶされており、ダミー人形を乗せているという推測にくわえ、老婆はベルモットの変装であり、彼女が連れている赤ちゃんこそが若返った烏丸なのではという大胆な説も一部のファンの間で浮上しているのである。

 とんでもない推理に思えるが、仮に烏丸が何らかの形で生きていて今まで誰にも気付かれていないとすると、これくらい驚きの姿で潜伏している可能性も否定できない。

 また2023年公開の劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』では、ラムが老若認証を使って「あの方」を探そうとするシーンがある。

 老若認証とは、顔の骨格をもとに老化や若返りを計算したうえで顔認証をするというもの。これを使っているのを踏まえても、烏丸の実年齢と見た目が合っていない可能性は大いにある。どうやら、単純に「怪しい老人」を探せばいいというわけではないらしい……。

 

 黒ずくめの組織のボスであり、半世紀前に死亡したとされる大富豪・烏丸蓮耶。作中の描写から実は生きている可能性もあるが、その詳細はいまだ不明だ。今回紹介した怪しい人物たちに加え、若返って姿を変えている可能性もあるとなると、すでに登場している者すべてが怪しく見えてくる……。

 今後烏丸に関する情報は続々と明かされていくだろう。この機会に過去エピソードを見返して伏線を整理してみると、新たな発見があるかもしれない。

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