■絶体絶命の3人を救ったパンクな一撃「ユースタス・キッド」

 「ワノ国編」ドクロドーム内の戦いにて、“四皇”ビッグ・マムと遭遇してしまうナミ・ウソップ・お玉の3人。「ワノ国編」序盤で一時記憶を失っていた際に介抱してくれたお玉に
親しみの様子を見せるビッグ・マムだったが、ナミ・ウソップと共に逃げる姿を見て憤慨し、「殺さなきゃね~〜!!!」と、大剣のプロメテウスを振りかぶる。

 すると、万事休すとなった3人の背後から突如現れた巨大な金属の手が刃を受け止め、徐々に肥大化しながらビッグ・マムの顔面を覆っていく。「磁気弦(パンクギブソン)!!!!」と、その巨大な金属の手がビッグ・マムを地面に叩きつけると、「失せろ“麦わらの一味” コイツはおれの獲物だ!!」とキッド海賊団船長のユースタス・キッドが参上するのである。九死に一生を得たナミとウソップは「“キャプテン”・キッド~!!!」と、歓喜の涙を流すのであった。

 ピンチの瞬間に颯爽と現れて大技をぶちかますという、王道の救出劇を見せてくれたキッド。当然このシーンのキッドも明確に助けに来たという意図はなく、ビッグ・マムを追っていてタイミングよく、共闘している麦わらの一味への攻撃を防ぐ形になった、という感じだろう。

 ただ、ナミやウソップなどの臆病者コンビの前に現れたのが、2人と滅多に絡むことのなかったキッドであるというのがなんとも熱い展開だ。打倒“四皇”に執念を燃やすキッドのカリスマ性が光った、印象的なシーンであった。

 

 本人たちに明確な救援の意図はなくとも、結果的に麦わらの一味の窮地を救ったこれらの展開は何度見ても胸が熱くなってしまう。

 「最悪の世代」の海賊たちのなかで未だその動向が掴めない“怪僧”ウルージがどのように麦わらの一味にかかわってくるのか。そしてこれまで絡んできた最悪の世代たちとは今後どのような関係性が描かれていくのか。さらなる熱い展開に期待は膨らむばかりである。

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